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漫画家Nのイラストと文章で綴る映画な日々

にしかわたく (漫画家)

マンガ家・イラストレーター。生まれて初めて劇場で見た映画は『グリズリー』と『テンタクルズ』の二本立て。
現実逃避のスピードを極限まで加速すればいつか現実を追い越せると信じ、今日もロスト・ハイウェイをひた走る36歳、デブ専。
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漏れ漏れ3本勝負・傑作篇
『探偵スルース』(1972・米)★★★★★

見たい見たいと昔から思っていたんですけれども、なかなかお目にかかれず。
リメイク版が来るってんで本気で探したら、新宿TSUTAYAにありました。
「ほぼ密室&騙し合い心理劇」って聞いてたんで
頭使う映画なのかなぁ、苦手だなぁと構えて見ましたが
どちらかというと感覚に訴えてくる映画だと思いました。
ローレンス・オリビエとマイケル・ケインの演技はもちろん素晴らしいんですが
ギミックに満ちたストーリーと、人形館じみた不気味なセットが対をなしていて
美術が映画を支えるってのはこういうことなんだなぁ、と心から感心。
ちなみに現代アート風のリメイク版も見ましたが
こちらはどうしようもない駄作でした…。


『ファンタズム』(1979・米)★★★★

“シルバーボール”ってなんじゃらほい。
(こーゆー言葉使うと自分がおじいさんになった気がしますな…)
監督はドン・コスカレリ。
『プレスリーVSミイラ男』があまりにも面白かったんで
代表作を見てないんじゃ話にならん、ってことで鑑賞。
ボールがひゅーって飛んできて、ドリルがシャキーンって飛び出して
頭にぐさーって刺さって、血がぴゅっ、ぴゅっ、ぴゅーって。
全部町山氏が言ってた通りだ!
ひー。最高。


『告発のとき』(2007・米)★★★★

最近のトミー・リー・ジョーンズはまったくもって凄すぎ。
一世代前のアメリカの、強い父親像。
ほんとに今のこの人しかできない役って感じですもんねぇ。
息子の悲報にまったく動じないところが、逆に涙を誘います。
この映画、シャリーズ・セロンがそれに負けてないところもいい。
『クラッシュ』よりも『ノー・カントリー』よりも私はこの映画を買い。


『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』(2007・米)★★★★

音楽にレディヘのジョニー・グリーンウッドを起用したのが大当たり。
オープニングの映像×音楽の“ただごとじゃない感”だけで
こいつは傑作に違いないと決めつけました。
(『パリ・テキサス』のライ・クーダーを思い出すのう…)
もともとダメな人がどんどんダメになり
最終的には完璧にダメになるという、私の大嫌いなタイプのお話ですが
何か凄ぇもん見ちゃったなぁ…とゆー後から来る重み、尋常じゃなかったです。


『フィクサー』(2007・米)★★★★

この時期、去年のオスカー作品賞候補作を続けて見てたんですが
どいつもこいつもことごとくバッドエンドなことに唖然。
今のアメリカって相当キてるんですかね、やっぱ…。
そんな中でこの映画だけは
ジョージ・クルーニーに汚れた主人公を演じさせながらも
そこからきっちりハリウッド的ラストまで持って行ったことに拍手。
日本での扱いは地味でしたが、もうちょっと褒められていいと思う1本です。
シドニー・ポラックの遺作かと思ったら、『近距離恋愛』にも出てたのね…。


『クライマーズ・ハイ』(2008・東映=ギャガ)★★★★

原田眞人って『ガンヘッド』『おニャンコ・ザ・ムービー』『狗神』しか見たことなくて
それに加え前作の『魍魎の匣』が試写室を焼き打ちしたくなるほどの駄作だったので
この映画に関しては一切期待してなかったのですが…すっかり圧倒されちゃいました。
「クライマーズ・ハイ」という比喩を中心に物語を紡ごうとする試みは
正直、完全に空振りに終わっていると思うんですが
それを補って余りある、報道現場のディティールとスピード感。
これこれ。こういう邦画が見たかったのよー。


『ヒルズ・ハブ・アイズ』(2006・米)★★★★★

輸入DVDで見逃し、劇場で見逃し、レンタル屋で新作の棚に並んでいたのを見逃して
その間、世間での絶賛の声を散々聞かされ、どんどん手を出しにくくなりまして。
でもやっぱ見るしかないよなぁ…と、無意味な逡巡のあげく鑑賞。
「『サランドラ』の数段上を行くジョギリっぷり」は評判どおり。
何がいいって、オリジナルに比べテーマがよりシンプルに鋭くなってるところ。
”核実験と畸形”ってとこにポイントが絞られてるので、見る側も迷いがない。
水頭症という病気、『ブラックジャック』を読んで以来トラウマだったのですが
この映画見てそれがさらに悪化しました…。
映画のすみずみまでミュータントの呪いが充満した、水爆級破壊力を持った1本。
最高っす!


『ウインズ』(1992・米)★★★★

これ、なんで当時見なかったのか自分でもよーわからんのですが
なーんも考えんと見れる、めっさ面白い映画ですな!
マシュー・モディーンは相変わらず情けなく虚ろなハンサムを好演
スカルスゲールドの変人ぶりも楽しい。
ジェニファー“ダーティダンシング”グレイは
なぜかこれ以降まともな映画にほとんど出ていませんが
キャリア中、こん時が一番きれいなんじゃないですかね。


『どぶ』(1954・新東宝)★★★★★

たまにこのブログにコメントを下さったりする某女史が
人生ナンバーワンに挙げてらっしゃったので鑑賞。
おつむの弱い天使のような娼婦に、ひとつの部落全体が寄っかかって
最終的に殺してしまうという、どうしようもなく暗いお話。
主人公の元ネタは『道』のジェルソミーナなのかなーと思って製作年数調べてみたら
なんとこの2本、同じ年の作品なのですね!
主人公が死んだ後、まわりの人間が初めて彼女の大切さに気づき
泣き崩れるというラストも完全に同じ。
偶然って恐ろしい…。しかも両方とも超傑作だし。
乙羽信子の白塗りの変顔が夢にまで出てきました。


『殺人課』(1991・米)★★★★

「これこそ拾いもの!」という隠れた名作。
主演にジョー・マンテーニャ(顔は知ってるけど、それ誰だよ?とゆー感じ)
共演にウィリアム・H・メイシーと、凄まじく地味なメンツの刑事もの。
切れ者の刑事が、ある事件をきっかけに
ユダヤ人差別の迷宮にはまりこんでいくというお話なのですが
確かだと思っていた現実がぐずぐずと崩れていく眩暈のような感覚は
クローネンバーグとコーエン兄弟とリンチを足して5で割ったみたい。(褒めすぎか?)
ワゴンセールとかで見つけたら、即買いをオススメします。


『ハード・プレイ』(1992・米)★★★★

ウェズリー・スナイプスとウディ・ハレルソン主演のストリート・バスケ映画。
私の大好きなロージー・ペレスも出てます。
まー何てことないスポーツものと言ってしまえばそれまでなんですが
バスケ部分をきっちり盛り上げてくれた上に
ちょっとほろ苦い、リアルなラストで締めるとこにしびれました。
監督は『さよならゲーム』のロン・シェルトン。


『若き勇者たち』(1984・米)★★★★

これも今回が初見。
チャールストン・へストン亡き後、全米ライフル協会の最重鎮(?)となった
ジョン・ミリアスの超タカ派っぷりとかはとりあえず置いといて
全篇を貫く、めくらめっぽうな疾走感が鮮烈でした。
これは80年代アメリカを舞台にした『バトル・ロワイヤル』だ!
…なんてテキトーな仮説を唱えてみちゃったりして。うふふ。


『愛と栄光への日々』(1986・米)★★★★

私の人生ベストワン候補のひとつ『キャット・ピープル』のポール・シュレイダーが
マイケル・J・フォックス主演で撮ったロック映画。
今まで何となく敬遠してたんですが、見てよかった!
ジーナ・ローランズ演ずるお母さんの病気をきっかけに
壊れた家族が再生するというとってもいいお話。
マイケルの姉役のジョーン・ジェットが素の演技で非常に良い。
オープニングで流れる彼女の歌を聴くだけでも見る価値あり。
ブルース・スプリングスティーンも出てますよん。


『十二人の怒れる男』(1957・米)★★★★★

もうすぐ公開される、ニキータ・ミハルコフによるリメイク版の予習を兼ねて鑑賞。
まー映画史に名を刻む傑作中の傑作であり
今さら私が何を言うまでもなく、文句なし面白い訳ですが
実は私、この前日に『だいじょうぶマイ・フレンド』を見てまして
「ヘンリー・フォンダ、まさかあのクソ映画見てないよなぁ…
 でもなんかやたらと真面目そうな人だから
 もしかしたら息子の演技、チェックしてたかもなぁ…」
なんてことを考えてしまい、集中できませんでした。
村上龍の害毒がこんなとこまで!ちくしょう!





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漏れ漏れ3本勝負・傑作篇_e0000251_043446.gif
by taku-nishikawa | 2008-08-03 23:47 | 映画雑感 | Comments(15)
Commented by 天野 at 2008-08-04 00:26 x
>スルース
「他人の向こう側(ハネムーン・クライシス)」もお勧めしておきます。ジェームス・フランシスカス主演の密室劇なれど、大傑作。

>ファンタズム
今5作ってるんですよ! でもDVD BOX買っちゃいましたよ。2以降はナニですが、1はコスカレリのその後を良くも悪くも決めてしまった傑作だと思います事よ。シルバー・スフィアのスタイリッシュなイメージは斬新でしたし。

>若き勇者たち
ソ連と共産主義の脅威が払拭された今、伝わりにくいと思うんですけれど、当時のイっちゃった米国人はまじめにこんなこと考えてたんですよね(TVシリーズ「アメリカ」とか)。と言いつつ、DVDとサントラ買っちゃいましたが。こういう余韻のある作品は好きです。

>フォンダ
死亡後にマイフレンドは公開されているので、だいじょうぶかと。
例え文句を言われても、「オヤジだってテンタクルズとメテオとスウォームとシティ・オン・ファイアに出てるだろ!」と言われてそのまま帰っちゃうかと。
Commented by wataru at 2008-08-04 01:11 x
ヒルズ・ハブ・アイズは輸入DVDを購入し、劇場で鑑賞し、日本版DVDも観ました。
文句なしの傑作ですが、日本版は「劇場公開版」でかなりカット場面が多いです。(残虐シーンばかり)
完全なものは、輸入版のアンレイテッド・バージョンしかありませんねぇ、今の所は......あと、ヒルズ・ハブ・アイズ2は駄作です.....取り敢えずご報告♪
Commented by world at 2008-08-04 04:27 x
村上龍とロジャー・コーマンが組んだ「KYOKO」は例外的に面白いですよ。
Commented by ぱたた at 2008-08-04 08:42 x
『ファンタズム』小学校の頃、兄貴と劇場で観ましたわ。
残酷シーンは平気なのに、金髪のおねーさんにドキドキ。
『ガンヘッド』『狗神』も劇場鑑賞。他はTV放送とか。
劇場鑑賞する作品の選択がちょいズレですまぬ。。
Commented by at 2008-08-04 20:57 x
ファンタズム最高!!なんか悪夢みたいに破綻しているのが良い感じですね。2,3,4も1に比べるとクオリティーは低いけどなんか憎めない感じがするのですよ。


奇形馬鹿映画としてアルバトロス フイルムから出ている「バーサーカー」オススメします。
あと
Commented by taku-nishikawa at 2008-08-05 00:58
みなさまコメントありがとうございます・・・が
すいません・・・猛烈に眠いんで明日レスします。
おやちゅみなちゃい!
Commented by taku-nishikawa at 2008-08-05 12:38
天野さま
『ファンタズム5』!
コスカレリのじいさん、次は「プレスリーVS宇宙人」なんて言ってたらしいですが
本道に戻ることにしたんでしょうか。どっちも見たいなあ。

ヘンリー・フォンダ死んでましたか。よかったよかった。

『他人の向う側』面白そうですね~!
ヤフオクで検索してみたら1本出てましたけど、5000円かぁ・・・。
どっかレンタル屋に置いてないかなー。
Commented by taku-nishikawa at 2008-08-05 12:41
wataruさま
おお、全制覇!素晴らしい。
そうですかー、カットシーンがそんなに。
日本って結構そこらへんには甘いと思ってたんで、意外でした。
これは是が非でもアンレイテッド・バージョンを見なければなりますまい。
Commented by taku-nishikawa at 2008-08-05 12:43
worldさま
『KYOKO』は大好きなキューバがらみだけに、怖くて手を出せなかったんですよ。
原作は読んだんですが。そーですか、面白いんですか。
高岡早紀のおっぱい揺れるのも楽しみだし、見てみます!
Commented by taku-nishikawa at 2008-08-05 12:54
ぱたたさま
『ファンタズム』公開時はうちら小学4年か5年というところですか。
私は死ぬほど怖がりの子供だったんで、劇場でコレ見てたらきつかっただろうなぁ。
『バーニング』は見に行ったんですが。
Commented by taku-nishikawa at 2008-08-05 12:57
隼さま
いやー、世の中にはこんなにファンタズムのファンがいるんですね・・・。
しかも中途半端なファンじゃなくて、全員コアなの。

『バーサーカー』めちゃめちゃ面白そうですね!
見ます。即見ます。
Commented by ぱるぴ~ at 2008-08-07 11:08 x
『クライマーズ・ハイ』は私もびっくりする位面白かったです。
キャストが良かったし(嫌な上司3人組)や、でんでん、堺雅人など脇がバッチリ。
凄くハリウッド映画を意識してるなと思いましたが(特にラストなんか)
原田眞人はやはりこの手の社会派のがいいと思います。『金融腐蝕列島・呪縛』もなかなか良かったですよ。
『魍魎の匣』これから覚悟して観ます・・・。
Commented by taku-nishikawa at 2008-08-08 00:35
ぱるぴ〜さま
ね!ね!面白かったですよね!
境雅人の凄さはまぁ実力通りとしても
ランニング姿のでんでんにあそこまで心を動かされるとは・・・
何か前にNHKがやったドラマ版も結構いいらしいですよ。

『魍魎の匣』はマジやばいです。血管が切れませんように。
Commented by hammer at 2008-08-14 10:18 x
『若き勇者たち』
劇場でも観ましたがTBSでTV放送された際吹き替えが
「ウルベリ〜ン」ではなく「俺たちはゲリラだ〜」・・・
失笑。後、激怒でした(笑)

『殺人課』
タイトルからの印象とは少しベクトルの違う映画でしたね。
ネタバレを回避しつつ人に説明するのが難しい部類の映画だと思うのですが
今回のにしかわさんのレビューには「そうそう!」と膝を打ちました(笑)

Commented by taku-nishikawa at 2008-08-14 18:05
hammerさま
『殺人課』ご覧になりましたか!
変な映画でしたよねー。
それにしても、ほんとに埋もれてしまいやすいタイトルですよね。
こーゆージャンル見る人って、どうやって作品選んでるんでしょうか。
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