世紀の傑作『デイ・ウォッチ』が日本ではすっかりシカトされた感のある
ロシアの暴れ馬
ティムール・ベクマンベトフ
(やっと名前言えるようになった)
記念すべきハリウッド進出第一作
『ウォンテッド』(9月20日公開)見てまいりました。
会社デハ上司ノデブ女ニイビラレ
同棲中ノ彼女ハ親友ト浮気シマクリ
タダタダ怖クテ何モ言エズ
イツモシズカニワラッテイル
サウイウモノニワタシハナリタイ…訳がないでしょうが。
まぁそんな「雨にも負ける、風にも負ける」体質の男が
我ら主人公、ジェームズ・マカヴォイ君なのであります。
今日も今日とて行きつけの薬局で
持病のパニック障害の薬を求めようとレジに並びます。
そのとき、ふと視線を感じて横を向きますと
“顔が性器”でおなじみの
アンジェリーナ姐さんが立っている。
…想像してみて下さい。
近所のローソンで立ち読みをしているあなた。
「ヤンサンが休刊とは世も末だな…」
とかぶつぶつ言ってるあなたの横に人の気配。
振り向くとあら、アンジェリーナ・ジョリー。
じょり〜っとあなたの顔を見つめている。
さあ、あなたならどうします?
とりあえず謝る。
そうでしょうそうでしょう!
体内に童貞スピリットが僅かでも残っている者が
アンジェリーナ姐さんに見つめられたなら
ライオンに睨まれたバンビのように
理由もないのに反射的に謝ってしまうでしょう。
それでこそ男だ!ビバ!
そんな愛らしいマカヴォイ君
あれよあれよと言う間に銃撃戦に巻き込まれ
謎の暗殺集団に強制的に仲間入り。
「お前の父親は最強のアサシンだった」とか言われて
厳しい暗殺修行の日々が幕を開けます。
ジョリー先生のマンツーマン授業は
戸塚ヨットスクールもびっくりのスパルタ式。
殴る、蹴る、斬る、刺す、ロウで責めると
女王様ご満悦・5万円スペシャルコース
もさもあらんという充実ぶり。
姐さんのシゴきを受けるマカヴォイ君の恍惚の表情に
観客のその道の者数名が思わず
俺(の)もシゴいて下さい!
と立ち上がって叫んだとか叫ばないとか。
さてさて、この映画のガンアクションの売りであります
予告でもおなじみ、「弾道曲げ」。
私、素晴らしいキャッチコピーを思いついてしまいました。
名付けて…
「右曲がりの弾道(ダンディー)」
マジな話、使えるでしょこれは…。
東宝東和さん、金くれ金!
やたらと意味ありげなモーガン・フリーマンを始め
(顔のシミひとつひとつにまで意味がありそう)
『ウォッチ』シリーズでおなじみのコンスタンチン・ハベンスキー
敵役には『シンドラーのリスト』のトーマス・クレッチマン
宇宙一かっこいい老人、テレンス・スタンプまで登場と
その他のキャストも充実。
ストーリーは終盤のツイストが効きすぎて
あさっての方角へ飛んでいってしまった感もありますが
この監督の売りは
圧倒的な馬力と歪んだユーモア。
CGシーンは相変わらずめちゃめちゃ多いんですが
しっかり腰を入れたスイングをしているので
決して薄っぺらくなることがありません。
前2作で多用していた「字幕遊び」まで登場し
アノ手コノ手で笑かしてくれます。
特に冒頭15分の破壊力は抜群で
『デイ・ウォッチ』終盤の異常なまでのテンションを
そのまま持ち込んだような暴走ぶり。
この時点で観客は5回はのけぞり
10回は爆笑していることでありましょう。
ハリウッドの大資本に
スポイルされるどころか
ますます加速するベクマンベトフ節。
いよいよ『ダスク・ウォッチ』が楽しみになってきました。
早く作ってー!
ブログランキング〜
↓圏外です。当たり前です。自業自得です。