新宿武蔵野文化、ホール3、定員80名。
『サイボーグでも大丈夫』19:10開映、土曜の最終回。
ご来場のお客様の中から抽選1名に
パク・チャヌク監督直筆サイン入り
オリジナルポスターをプレゼント。
読み上げられた番号の整理券をお持ちの方は
名乗り出てください。
自分の番号を見た瞬間に
何かしら予感めいたものが体を走り抜けた。
“66”・・・悪魔のサイン。
その前の晩に『ゴーストライダー』を見ていた私は
ピーター・フォンダ演じるメフィスト博士に
それとは知らず魂を売り渡していたのかもしれない。
映画館職員は自ら選んだ番号を読み上げた。
「66番!」
驚きは一切なかった。
これはすべて契約済みの出来事なのだ。
賞品のポスターを受け取り
他の観客の拍手をどこか別の世界の出来事のように遠く感じながら
夢遊病者のようなふらふらした足取りで自分の席へ戻る。
そして一挙に不安が押し寄せてきた。
この、大してファンでもないパク・チャヌクのサインのために
私は悪魔へ何の代償を払わなければならないのだろう?
その代償の中身は意外と早く判明した。
映画が
つまらなかったのだ。
『チャーリーのチョコレート工場』『エヴァ』
『最終兵器彼女』『アメリ』『シザーハンズ』
のイメージをシャッフルして
いいとこどりしたようなストーリー。
まぁそれは誰でもやってることなんで別にいいけど
何かこの映画、芯がない。
血みどろ監督、初のラブコメ
と銘打ってはいるが
前作『親切なクムジャさん』の方が
愛も笑いもちゃんとあった気がする。
復讐譚を語らせたらあんなに饒舌だったチャヌクだが
初恋の女の前で照れて口ごもっているような
この居心地の悪さは何だろう。
自分の娘にも見せられる映画が
撮りたかった
とインタビューで語っているチャヌクだが
私の知る限り、このパターンには碌なのがない。
ポランスキーも『オリバー・ツイスト』を撮ったとき
これと同じような発言をしていたが(娘に出演までさせている)
それまでの人生
変態街道ど真ん中
を突き進んできたヤツのような男が
いまさら子供の前でかわいこぶってみたところで
タカが知れているのだ。
気持ちはわからんではないが、世の中そんなに甘いものではない。
娘にはきっちり『オールドボーイ』を見せて
自分の娘とヤリまくっちゃった
オッサンの地獄めぐり
を味あわせ、トラウマを植えつけるがよろし。
それがあんたの業だ
パク・チャヌク。
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