私が30を過ぎてから見た中では
一番怖い映画かもしれません。
見てる間、あまりの緊張で
足がつりそうになりました。
高級車で避暑地へ向かう、3人家族。
夫婦は2人ともクラシックファンらしく
カーコンポから流れる曲を
作曲者が誰だ題名がこーだと楽しそうに言い合っています。
いかにも高所得なインテリ夫婦と、可愛い息子。
と、突然音楽がヘンデルからデスメタルに変わります。
仲睦まじい家族の映像と、気違いじみた絶叫のミスマッチ。
オープニング見ただけで、私は思いました。
この映画ヤバいな、と。
そもそもこの映画を私に勧めたのは近所に住む従兄弟。
ある日彼の奥さんの手料理をご馳走になった後、なぜか
“後味の悪い映画”
の話になりました。
(私は映画の話題でしか人とコミュニケーションが取れないのです・・・)
ワタシ的にはここ数年で言うと
『オープン・ウォーター』のラストの
とぷん・・・
ってのがかなり印象的だったので(見てない方すみません)
この映画のタイトルを挙げたところ
従兄弟が
「アレよりひどいのがある」
と言うのです。
え、それ何?と訊くと
帰ってきた答えがこの『ファニーゲーム』。
この従兄弟、映画オタクでも何でもなく
生涯のベストは『バックドラフト』(変なヤツ・・・)。
劇場はシネコンしか行かないという
いたって普通のメジャー映画好き。
大方、タイトルから察するに
デヴィッド・フィンチャーの『ゲーム』や
『CUBE』『SAW』あたりの便乗系かな、と
そのときは深く考えもせず聞き流しておりました。
で、それから随分たったある日
新宿TSUTAYAでヨーロッパ映画の棚を物色していたところ
偶然このDVDに遭遇。
監督はなんと
ミヒャエル・ハネケ
じゃあーりませんか。
2001年に『ピアニスト』でカンヌを獲ったドイツ人監督で
昨年、過去の未公開作が一挙に上映され
渋谷の劇場は連日満員立ち見の盛況だったと聞いています。
アイツ、何でこんなアート系の映画を・・・?
『ピアニスト』は一応見ましたけど
フェラの途中で女が嘔吐
っつーシーンしか覚えてません。
パッケージにはこんなコピーが書いてあります。
かつてこれほどまでに
救いのない映画があっただろうか?
なるほどね、やっぱり後味悪いのねということで
とりあえず借りて
帰宅してDVDをデッキに入れ、再生ボタンを押すと
上に書いたようなオープニングだった、というわけです。
いやー、この後のストーリーを書きたくてたまらないんですけど
この駄文を読んで下さる方の中で、もし1人でも
「この映画見てみよう」という命知らずの方がいらっしゃった場合
余計な知識は邪魔になりますのでね。
内容にまったく触れてないんで
わけわかんない文章になっとります・・・まぁいつものことですが。
可能なかぎりピュアなかたちで
この不愉快さと向き合ってほしい
とゆー私の乙女心、わかって下さい。
とにかく、近年味わったことのなかった不快指数。
バッドエンド嫌いのうちの父親が見たら
確実にブラウン管破壊してますね。
参考記録的に言いますと
ギャスパー・ノエの『アレックス』に耐えられた人なら大丈夫です。
(ハードル高ぇ・・・)
しかし、さすがヨーロッパ。
腐り方がハンパじゃない。
昔ここで取り上げた『ドッグ・デイズ』もひどかったもんなぁ。
変態の裏の裏の裏の裏の裏
ひねくれすぎて
変態二重螺旋の様相。
事情通の方には今更でしょうが
ハネケの他の作品も要チェックですな。
(またいっぱいあるんだコレが・・・)
追記:
今初めて知ったんですが
この映画、ハネケ監督が自らメガホンを取って
英語版リメイクが製作中のようです。
主演の夫婦はティム・ロスとナオミ・ワッツ。
あの最悪の体験をもう一度かぁ・・・
絶対見ちゃうな。
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