日本一多忙な監督・三池崇史が満を持して取り組んだ
時代劇&ウェスタンのミックスグリル。
「日本一多忙」とは「日本一仕事を断らない」って意味でもありまして
三池監督のキャリアはまさに玉石混交の何でもアリ。
そんな何でも屋の天才が
生まれて初めて自分の企画で映画を撮るっていうんです。
まぁパスって訳にはいかないですわな。
テンガロンハットにポンチョ
腰にはガンベルトというおなじみの格好の
クリント・イーストウッド・・・じゃなかった、伊藤英明が
山形ロケの寒々しい風景の中を放浪しています。
彼がたどり着いた場所は
隠された財宝をめぐって“源氏ギャング”と“平家ギャング”が対立する
ゴールドラッシュの村だった・・・。
『荒野の用心棒』『七人の侍』『平家物語』がごった煮になったような
めちゃくちゃな世界観に加え
セリフはなんと全編英語。
英語圏の人間が見てどう思うかはわかりませんが
日本人からすると、これがまぁ物凄い違和感なんですね。
同様の試みを行った『インプリント ぼっけえきょうてぇ』もそうでしたが
最初の1時間はこの気持ち悪さに適応するので精一杯でした。
この映画には役者が自分の英語の上に日本語をかぶせた
“変則吹替版”というものが存在するらしいです。
なんだってそんな回りくどいことを・・・いや、見てみたいですけど。
ほとんど存在感のない伊藤英明
のまわりを異常に豪華なキャストが囲んでいます。
伊勢谷友介、桃井かおり、佐藤浩市、堺雅之、木村佳乃、安藤政信、石橋貴明
小栗旬、石橋蓮司、松重豊、塩見三省、そしてSMAPのアノ人。
やはり気になるのは意外に大きな役で出てくる
オタクのタラ公
ですが、大したことないです。
特殊メイクしてうひうひ喜んでるただのバカです。
「栗山千秋の性奴隷の役なら
またいつでも出演するぜ!」
って三池監督に言ってるそうです。
バカです。
伊勢谷友介って役者は『キャシャーン』しか見たことなかったんですが
この映画では群を抜いたテンションの高さで
完全に主役を食いまくってました。
アクションは切れるし、英語もかなりいけるみたいなので
この勢いで行けばハリウッド進出も夢ではない。
あと
木村佳乃のフェラチオが予想外にイケてます。
全体の感想としては
わりとフツー
って感じですかね・・・。
後半は結構楽しく見れはしたんですが。
アイデア自体は特に新しいわけじゃないですし
いつもの三池作品よりは演出も控えめで
オーソドックスな印象を受けました。
共同脚本にクレジットされているNAKA雅MURA
(『どろろ』をあんな風にしちゃった人)
の名前も気になるんですけど
『ぼっけぇ、きょうてぇ』も撮っている栗田豊道って人のカメラが
ちょっとスタイリッシュすぎて
いつもの三池映画のギラギラした感じが消えちゃってるのかなぁと。
この人、アルトマンの映画とか撮ってるらしい。
『殺し屋1』の山本英夫のカメラが私は好きなのです。
新しいことに挑戦する映画だからこそ
スタッフはいつもの三池組で見たかったなぁというのが
私の感想です。
9月15日公開。
ブログランキング〜
↓現在10位。よろしければクリックして投票して下さいまし。