引越しがらみのばたばたで
ここんところ映画を見るペースが極端に落ちているんですが
友人に誘われ、最終日に見に行った『ボルベール』。
えがった~。
まんず、えがった。
アルモドバル作品に出てるペネロペが
悪いはずがないとわかっちゃいましたが
主演女優見てるだけで
これだけ幸せな気分に浸れる映画
てのも久しぶりです。
ペネロペは、ザッツ働くお母ちゃんって役回りで
黒のワンピースとか、ニットのカーディガンとか
イタリア映画に出てくる典型的なマンマのいでたち。
そんでもってもちろん胸の谷間は惜しげもなく披露。
これ、ソフィア・ローレンじゃん。
と思ったら、やはりアルモドバルは
ペネロペに役作りの上で彼女を意識させたそうです。
この映画、「匂い」が重要なモチーフになっているんですが
「ママのおならの匂いがする…」
って便座に座って鼻をくんくんさせるペネロペの顔のアップは
なーんかの生理に訴えてくるものがあり
スクリーンと観客の間に親密な空気が漂って、いい感じでした。
(向田邦子のドラマにも似たようなシーンがあった気が)
ストーリーは、ずばり“女系家族”のお話で
それぞれに秘密を抱えた祖母・娘・孫の3代にわたる連帯感
もっと言ってしまえば
共犯意識
みたいなものを描いているんですが
これ、個人的に非常に腑に落ちるテーマでした。
「新居のまわりには親戚が多い」ということを
数日前の日記に書きましたが
先日、祖母の家に集まってうなぎを食べたんです。
祖母、私の母、母の妹、いとこ(女)と
私以外は全部女性というシチュエーション。
「ダンナには内緒ね」とかベタな冗談を言いつつ
ゲヘヘヘヘヘ
と暗い笑い声を上げる女たちの姿を見て
私はある種の疎外感を感じると同時に
こいつらがまるでひとつの生き物であるかのような
奇妙な感覚を覚えました。
いとこの子は私より2つほど年下で、今年結婚したばかり。
今までは「親の世代」と「子の世代」という関係性の中で
確実に私と同じ「子の世代」の構成員だった彼女が
しばらく見ぬ間に、すっかり「女系」色を強め
巨大な“女”という生き物の一部
になったのだ、という
漠然としているけれども、しかし確実な印象を受けました。
『ボルベール』で描かれる母娘の関係は
何も特別なものではなく
世の「女系」にすべからくかけられている、呪いのようなもの。
この“共犯意識”こそが
女たちを結びつけているのだ
…とゆーのが、今回の結論。
とにかく、安心してペネロペに身をゆだねきった
幸せな2時間でした。
もちろん
放尿シーンも
ばっちりです!
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