まぁアレですよ、原因は
タミフルなんですよ。
隠し扉の奥にある秘密図書館で
禁制の異端文書を盗み見たときに
ページのへりに沁み込ませてあったタミフルが
本から指へ、指から舌へと。
それからはもう異常行動の嵐。
どんくらい異常かって言いますと
この2週間の記憶がまったくない。
異常者による異常者のための異常行動
まさに“春の●ンまつり”さながらに
無軌道なリビドーの解放が行われたのではないかと
記憶が戻った私は、気が気ではないのです。
タミフルの副作用は大人には現れにくいとのことですが
今回の現象から推論いたしますに
本質的に私の体と心は
10歳からこっち、成長していないのでしょう。
その証拠に
皮がほら。
ほらほら。
・・・生きるのが辛くなってきたので映画の話をしましょう。
私、実は今ハマっている監督がおります。
山下敦弘。
先月の話になっちゃいますが
テアトル新宿で2週にわたって
この監督を特集したオールナイトがあったんです。
第一夜
『松ヶ根乱射事件』
『リアリズムの夜』
『ばかのハコ船』
第二夜
『くりぃむれもん』
『リンダリンダリンダ』
『どんてん生活』
(あとその他短編…だったかな)
私は残念ながら第一夜しか行けなかったんですが
この一晩で、すっかり虜。
『リアリズムの宿』『リンダリンダリンダ』は前に見たことがあって
どちらもめちゃめちゃ好きだったんですが
この日見た
『ばかのハコ船』
がそれに輪をかけて面白かった。
主人公の男は借金までして「あかじる」という健康飲料を開発するが
あまりの不味さにまったく売れず
故郷で巻き返しをはかるべく、恋人と一緒に都落ちして実家に戻ってくる。
田舎町を舞台に二人して「あかじる」の営業活動を始めるが
これが何をどうやってもうまくいかない。
もともといい加減な性格の男は瞬く間にやる気をなくし
両親とか元いじめられっ子の学友とか
初恋の人で現在はヘルス嬢の女とか妊娠中のその妹とか
まわりの人間を巻き込みつつ、どんどん軌道から外れていく。
バカな男と、バカな男についていく女。
この二人を救う箱舟は、果たしてやってくるのだろうか・・・?
この映画のどこが私のツボだったかを言いますと
「頭が悪いとはどういうことか」が
非常にリアルに描かれているところです。
バカほど理屈をこねたがる。
というのは、私が常々自分を振り返って感じていることですが
この映画の主人公は、まさにそういう人間。
論理を組み立てる能力がない人が論理を語ろうとするとどうなるか。
すべてが空回りを始めます。
こいつのダメっぷり、とことん身につまされました。
しかし実を言うと、私が本当にくすぐられたのはこのツボではなくて
そんな男についていく女がいる
というところだったりするのです。
この女優がね、まーほんとに微妙な容姿をしてるんです。
「ブス」とも「デブ」とも言い切れない
でもどう見ても美しくはない。
そして人生のほとんどの場面で
「どん臭い」と言われてしまうような類の真面目さが
彼女の根底にある。
ああ、いかにもこういうバカ男にひっかかりそう
な感じがプンプンして、リアリティありまくりなんですね。
そんなこんなで、最後までどっぷりハマりこんで見てしまいました。
「いい映画」とか「よくできた映画」とか「面白い映画」というのは
世に数限りなくありますが
この映画みたいに
自分の性格を
丸ごとすくいとってくれる作品
には、なかなかお目にかかれません。
監督の名前で映画を選ばなくなって久しい私ですが
この山下敦弘という監督(まだ32歳だってよー)を
しばらくの間、追っかけてみようと思っております。
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