
これは未公開ながら一部マニアの間では超有名な映画で
私もタイトルだけは聞いたことがありました。
(98年に一度劇場公開されたそうです・・・知らんかった)
行方不明の少女を捜索するため
スコットランド本土からある小さな島へやってきた警官。
しかし島民はことごとく彼女を知らないと言う。
捜査を進めるうち、この事件の背後にあるのが
彼らが信じている古代宗教の儀式であるということがおぼろげにわかってくる。
少女は豊作を祈るための生贄なのではないかと疑った警官は
道化に扮し、彼らの“収穫祭”に潜入するのだった・・・
“ウィッカーマン”とは
「枝男」の意で、映画のラストで衝撃の登場をします。
いやー、これは
猛烈に変な映画。
ジャンルとしてはホラーというより
文化人類学スリラー
という感じでしょうか。
諸星大二郎が描きそうな世界です。
(実際、設定がよく似た短編があります)
面白いのは、島民が信仰している古代宗教というのが
フリーセックスを奨励
しているところ。
性に関してやたらと大らかな島民たちは
酒場に集まり、大声で
猥歌を唄います。
あたいの穴あきヤカンを見せたげるから
あんたの棒で穴を塞いでおくれ~
みたいな。
夜になれば外では
全裸の女が股間を道祖神に擦りつけてますし
学校では先生が
「ちんこ祭り」の解説をしています。
私なら喜んでご相伴に与るところですが
主人公の警官は敬虔なクリスチャンなので
島民の性的モラルのなさに、異常におびえる訳です。
デヴィッド・リーンの『インドへの道』でも
お上品なイギリス婦人が、ヒンズーのエロ彫刻を見て
ムラムラしすぎて気絶する
という爆笑シーンがありました。
『七人の侍』のラストでは
生き残った侍たちが農民の祭から疎外されていましたが
あれは農民たちの生命力(=生殖力)と
インテリにして上流階級の侍たちの価値観が
どこか相容れないからだったのだと思います。
農耕文化=豊穣祈願祭=フリーセックス
という図式は、万国共通の組み合わせのようで
わが国でもちょっと前まで、祭りの夜といえば
夜這い
がつきものでした。
この間ラジオを聴いてたら
宮台真治が夜這いについて面白いことを言っていました。
いわゆる“変態”や“フェチ”がなぜ生まれるかというと
第二次性徴から
実際のセックスを始めるまでの期間が長すぎること
に問題があるというのです。
これを簡潔に言うと、次のようになります。
日本の男はオナニーしすぎ。
要するに、オナニーに使う妄想(いわゆるズリネタ)の影響が強すぎて
現実のセックスに適合できない男性が増えているということなのです。
昔は夜這いの文化があり、ほとんどの男性が10代なかばで童貞を失っていたが
現代に近づくにしたがって童貞喪失の平均年齢がどんどん上がっており
その間、マスターベーションを繰り返しているうちに
実際のセックスでは解消できないような妄想
を抱えてしまう可能性が高いらしい。
自分を振り返ってみますと、この説は・・・
ものすごく説得力があります。
えーと、何の話だかよくわからなくなってきましたが
この映画、とにかく一見の価値ありです。
DVDも出てるらしいので、探してみてくださいまし。
ちなみにこの『ウィッカーマン』
昨年、ニコラス・ケイジ主演でハリウッドでリメイクされました。

予告だけ見ましたが、まぁぱっとしない感じ。
映像技術がどうこうって話じゃないですからね。
お色気度もおそらくトーンダウン。
日本公開はおそらく今回もないでしょうな・・・
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