『父親たちの星条旗』でスカ引いた私。
正直この硫黄島2部作の片割れ
見たいという気持ちよりは、どちらかというと義務感とゆーか
毒を食らわば毒々モンスター東京に現る
的なノリで見に行きました。
始まってまずほっとしたのは
さすがに同国人の顔は見分けがつくぅ!
ということでした。
おそらくアメリカの観客の何割かは、『星条旗』の時の私のように
登場人物が判別できず、途中で挫折していると思います。
先に『星条旗』を見てますので
華々しい戦争映画を期待したりはしていませんでしたが
まぁ、簡単に言うと暗い。すごく暗い。話もだけど、画面も。
というのも、この映画の中の日本軍は
ご存知の通り、ほとんど地下トンネルの中で戦っているからです。
戦闘シーン自体は、『プライベート・ライアン』や『星条旗』と同じく
リアルに徹して描かれているのですが
地下トンネルという閉鎖空間
を舞台にしたことが
この映画に、ある種のうねりというか
グルーヴ感のようなものを与えていて、そこがすごく面白かったです。
特に後半、二宮くんと加瀬亮が
トンネルの中をどんどん敗走していくあたりは
前に行った京都の清水寺や長野の善光寺の
“胎内めぐり”
を思い出し、ぶるぶる震えながら見ていました。
ダンテの『神曲』じゃないですが
この映画、二宮くんを中心にした
地獄巡り
の構造になっているんじゃないかと。
(すいませんインテリっぽいことが言ってみたかったんです・・・)
神話的、ってゆーと言い過ぎかもしれませんが
そういう寓話的な要素とリアルな要素がうまくマッチしていて
これは凄い映画だなぁと思いました。
最後に、俳優についてですが
二宮くんや加瀬亮やケン・ワタナベや伊原剛志なんかは
ほっといても他の人が褒めると思いますので
私は裕木奈江をひいきしたいと思います。
二宮くんとの童顔夫婦は、なかなかに良かった。
この2人、アメリカ人の目から見ると
おそらく子供にしか見えないでしょう。
子供だけど大人だった当時の日本人
このキャスティングにはイーストウッドのそんな意図を感じました。
二宮くんの役を、日本の戦争映画にありがちな
純真無垢な童貞少年兵
でなく、既婚者のキャラクターにしたことが
この映画の重要なポイントだと思います。
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