『亀は意外と速く泳ぐ』、ドラマ『時効警察』で
一気に時の人となった三木聡監督作。
撮影自体は2002年に終わっていたらしいのですが
お蔵入りになりかかっていたところを
昨年からのブレイクの波に乗って劇場公開。
タイトルから丸わかりのように
ダメ人間がテーマ
の映画になっています。
主人公は、佐藤隆太、緋田康人、温水洋一が演じる3人組。
どうやったら働かずに生きていけるか
ということだけを考えながら生きているダメジンたちです。
近所の猫じじいから
インドへ行けば
一生ぶらぶらしてても何とかなる
と言われ、さらに謎の宇宙人から
インドへ行きなさい
そして人類を救いなさい
とのお告げを受け、真剣にインド行きを考える3人組。
100万円の旅費を何とか稼ごうとする彼らに
落ち目のヤクザ(篠井英介 )
トルエン中毒のその愛人(市川実日子 )
とりあえずどこにでも顔を出す女(ふせえり)
など、こちらもやる気が一切ない登場人物たちが絡んできて
どこまでもダメダメな
一夏の脱力物語
が展開していきます。
監督デビュー作ということで、やりたいこと全部詰め込んだ感じで
映画として見るとちょっとまとまりに欠けるようなところは否めませんが
一度‘三木節’にハマったひとなら、間違いなく楽しめると思います。
それから、ちょい役の伊東美咲がすごくいい感じ。ファン必見。
ところで、この映画を見てて私が思ったのは
こいつら・・・
あんまりダメじゃないじゃん。
ということです。
この映画の登場人物には向上心というものが完全に欠如しています。
つまり「ダメな自分」を許すことに成功しているんですね。
本当にダメな人間というのは
「自分は本当はこんなもんじゃないはずだ」という妄想が捨てられず
這い上がろうと足掻くのだけれど
なにぶん根がダメだから、すぐ投げ出してしまい
その上過去の経験に一切学ばないものだから
また同じ事を繰り返す。
その堂々巡りを一生続ける人を、ダメ人間と言うのです。
数年前、こういう希少な真性ダメ人間を
お茶の間にいながらにして見せてくれるという
ありえない番組がテレ東にありました。
はい、もうみなさんおわかりですね。
『愛の貧乏脱出大作戦』です。
ダメ人間たちにチャンスを与えるという名目で
それをみすみすドブに捨てるダメっぷりを見てあざ笑うという
ダミアンがプロデュースしたかのような暗黒番組でした。
見た後は毎回死にたくなるので、見ないようにしようと思うんですが
気がつくとチャンネルを合わせている自分。
この番組、確実に
ビデオドロームより体に悪かった
と思います・・・
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