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漫画家Nのイラストと文章で綴る映画な日々

にしかわたく (漫画家)

マンガ家・イラストレーター。生まれて初めて劇場で見た映画は『グリズリー』と『テンタクルズ』の二本立て。
現実逃避のスピードを極限まで加速すればいつか現実を追い越せると信じ、今日もロスト・ハイウェイをひた走る36歳、デブ専。
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『幻の湖』(1982年・日本)
『幻の湖』(1982年・日本)_e0000251_23534935.jpg

東映に『北京原人』という原爆があるなら
東宝にはまさに水爆級の駄作が。
それがこの『幻の湖』。

『七人の侍』など黒沢作品の脚本で知られる
巨匠・橋本忍がメガホンを取り
東宝50周年を記念するれっきとした大作でありながら
公開後1週間で打ち切り、橋本プロを倒産に追い込む。
東宝は長い間「なかったこと」にしていたのですが

某映画秘宝のおかげで超有名作品に。

琵琶湖に住むジョギングが趣味のトルコ嬢が
人気作曲家に飼い犬を殺され、復讐を誓う。
ここに意味不明にからんでくるのが
何故かトルコで働いているアメリカ情報局員・ローザと
「宇宙パルサー」を口にする謎の笛吹きNASA男。
時間軸もねじれにねじれ、戦国時代と現代が交錯。
そしてラストを飾るのが、もはや伝説ともなった
20分に及ぶ主人公と作曲家のマラソン対決。

観客は最初「イカれた主人公だな」と思いながら見ているのですが
時間がたつに従い、徐々に気付き始めます。

イカれているのは監督の脳だということに・・・

私のことをバカ映画好きと思われている方が多いと思いますが
実は私「確信犯のバカ映画」にはまったく興味がありません。
スタッフが本気で傑作を撮ろうとし、あらゆるエネルギーを注いだにも関わらず
どこでどう間違ったのか生まれてしまう超駄作。

それこそが本物のバカ映画

というのが私の持論。
それが映画というジャンルの懐の広さであり、
魅力でもあると思っています。

昨年のクリスマスに浅草東宝のオールナイトで見たのですが
ラストのマラソンシーンでは、客席から応援の声が飛びました。
「がんばれ!」「もう少し!」「負けるな!」
そしてとうとうトルコ嬢が愛犬の仇を追い抜いたときには
場内割れんばかりの拍手(かなり誇張)。
致命的に方向を間違えたとはいえ
作り手の本気が、監督の病的な熱情が
観客の心を(かなりの失笑を交えつつ)動かしたのに違いありません。

バカと天才は紙一重、

傑作と駄作も紙一重であります。


ブログランキング〜
↓幻は幻のままで。


『幻の湖』(1982年・日本)_e0000251_043446.gif
by taku-nishikawa | 2006-01-06 00:13 | カス映画地獄 | Comments(7)
Commented by koday7 at 2006-01-06 01:26
TB&コメントありがとうございました。
学生時代に映画館の前を通ると「幻の湖」を上映してました。でも1週間後にはすでに上映してませんでした。それ以来「どんな映画なんだろう?」と思っていましたが、やはり幻は幻のままでよかったのかもしれませんね。ラストシーンでは「抜くのかよ!」と呟いてしまいました。
Commented by Nakatomo at 2006-01-06 04:47 x
あけましておめでとうございます。
にしかわさんのブログは、絵が多いので目に良いと母が言っておりました。
ぼくも、強くそう思います。
これからも私が死ぬまで描き続けてください。私が死んだら描いちゃダメ。
Commented by ヒサシ at 2006-01-06 11:31 x
東映、東宝と来れば次は松竹。期待してます。
日本三大駄作映画。
いや~、駄作ってほんとに良いもんですね~。
Commented by aonumashizuma at 2006-01-06 14:45 x
TBありがとうございます。今でこそ、マニアの間では盛り上がるこの映画ですが
公開時の客席の反応がどうだったのか気になるところです。あと苦情の数とか。
監督がイッてるのはさておき、スタッフ、役者さんは何をおもってこの撮影を
続けていたのかも気になります。
Commented by taku-nishikawa at 2006-01-06 19:37
>koday7さま
コメントありがとうございます。
今年の目標は、勇気を出して『デビルマン』を見ることです。

>Nakatomo さま
お、お母様が・・・
目には良くても脳の方にかなり悪いと思われますが・・・
脳欠損にしかわをこれからもよろしくお願いします。

>ヒサシ さま
コメントありがとうございます。
松竹ですかあ。イマイチこれ!ってのが浮かばないんですよねぇ。
タイトルだけでいうと水野久美のデビュー作『きちがい部落』のインパクトがダントツなんですけどねぇ。

>aonumashizuma さま
これはどうもスケキヨさま、ありがとうございます。
映画ってきっと作り手側にまわると、頭がどうかなっちゃうんでしょうね。
僕は役者たちもきっと傑作になると考えていたと思います。
Commented by mishima1013 at 2006-01-08 16:22
TBとコメントありがとうございます。
私も映画好きなので、過去記事までさかのぼって楽しく拝見いたしました。
イラストはもちろん面白いですが、コメントもコンパクトで映画への愛が感じられます。
今後の記事も期待していますので、頑張って下さい。
Commented by taku-nishikawa at 2006-01-09 04:41
コメントありがとうございます。
丁寧にご覧になって頂けたようで、嬉しいです。
これからもよろしくお願いします〜
過去記事が映画のタイトル順に並んでます
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