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漫画家Nのイラストと文章で綴る映画な日々

にしかわたく (漫画家)

マンガ家・イラストレーター。生まれて初めて劇場で見た映画は『グリズリー』と『テンタクルズ』の二本立て。
現実逃避のスピードを極限まで加速すればいつか現実を追い越せると信じ、今日もロスト・ハイウェイをひた走る36歳、デブ専。
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カテゴリ:ドキュ地獄( 4 )
『ヤング@ハート』(2008・米)
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マサチューセッツ州の小さな町ノーサンプトンで
高齢者向け公営住宅の住人によって結成された
コーラスグループ「ヤング@ハート」。
撮影当時、メンバーの年齢は75歳から93歳。
ロックやパンクを中心とした超攻撃的なレパートリーが話題になり
海外公演を行うまでの成功を収めている。
本編は、彼らが新しいショーを作っていく過程を
7週間にわたって追ったドキュメンタリーである。



埼玉奥地のレイトショー、観客は2人だけ。
見知らぬ相方は、ねずみ色のパーカーにニット帽のお兄ちゃん。
靴下を脱ぎ、前の席に足をのっけて
持ち込みが禁止されてるネクターを飲むお行儀の悪い私。

映画が進むうちに脳裏に浮かんできたのは
なぜか

漫画『スラムダンク』。

あの漫画があそこまで感動的なのは
コートに立っている選手たち一人一人の気持ちを
それこそ相手チームの控え選手に至るまで
丁寧に丁寧に掬い上げてくれるから。
そして、そのことを通して読者に伝わってくるのは

この子たちは

本当にバスケが好きなんだ


とゆー、疑う余地のない実感。


「人は歳を取ると子供に帰る」と申しますが
私たちがこの映画で目撃することになるのは
“ボケる”とか“丸くなる”とか
そーゆーのとはまったくの逆ベクトルの

自分の欲望に忠実な老人たち。

したいことをする。
したくないことはしない。
自分にとって、明日という日があるかどうかわからない
死が本当に身近なものとして感じられる状況で
(実際、撮影中に数人のメンバーが亡くなっていく)
彼らは「歌」を選んだのです。

漫画史に残る、ミッチーの名ゼリフ

「安西先生…バスケがしたいです…」

この映画に出てくる老人たちは、一人の例外もなく
あのときのミッチーと同じテンションで、歌に取り組んでいるのです。


心を打たない訳がない。


前日に発作を起こし緊急入院
医者にも家族にも止められる中
それこそ這うようにしてリハーサルに出てくる老人。

ここで思い出すのは
山王戦で、背中を痛めた桜木花道が
「オヤジの栄光時代はいつだ?全日本のときか?
 オレは…オレは今なんだよ!」
と出場を懇願するシーン。


涙が出ない訳がない。


中盤、刑務所慰問コンサートで歌われる
前夜に亡くなったメンバーに捧げられた一曲
ボブ・ディランの『フォーエバー・ヤング』。


May God bless and keep you always,
神様がいつもあなたを祝福し、守ってくれますように
May your wishies all come true,
あなたの願いが、みんな本当になりますように
May you allways do for others
あなたがいつも人のためにやってきたこと
And let others do for you.
そして人があなたのためにしてきたこと
May you build a ladder to the stars
星に向かって掛けた梯子を
And climb on every rung,
あなたがちゃんと登っていけますように
May you stay forever young,
あなたがいつまでも若くいられますように
Forever young,forever young
いつまでも若く いつまでも若く
May you stay forever young.
あなたがいつまでも若くいられますように


これを聴いてる受刑者たちの表情が
うまく言えませんが、凄まじい。

それぞれどんな犯罪を犯した人間なのかはわかりませんが
詩と曲が彼ら一人一人の奥深くまで沁み込んでいくのが
表情から手に取るようにわかります。
まぁそれを見ている私の顔も
涙でぐちゃぐちゃで凄いことになってた訳ですが。


最近、精神的にめっきり老け込んで
クラシックばっかり聴いてる自分に喝。

真にロックな1本でした…。





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↓『ボーイズ・オン・ザ・ラン』の最終巻、ジョナサンで読みながら号泣。


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by taku-nishikawa | 2008-11-21 03:37 | ドキュ地獄 | Comments(49)
『ミリキタニの猫』(2007・米)
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まだまだ続きます
「すいません見逃してました」シリーズ。


ニューヨークの路上で絵を描き続ける80歳の日系人画家、ジミー・ミリキタニの誇り高き反骨人生を見つめた感動ドキュメンタリー。カリフォルニアに生まれたジミーは、その後母の故郷広島で育つが、強まる軍国主義を逃れて18歳でアメリカに帰国する。しかし第二次大戦中に日系人強制収容所に送られた彼は、アメリカ国家に抵抗して自ら市民権を放棄する。以来、様々な社会保障も受けられず、やがては不運も重なりニューヨークで路上生活を送ることになる彼だったが、自由と不屈の精神を失うことはなかった…。本作は、彼の絵を買ったのが縁で、ときおり彼を撮影していたリンダ・ハッテンドーフ監督が、9.11テロの直後、彼を自宅のアパートに招きいれ、2人が奇妙な共同生活を送る中で、彼の数奇な人生が次第に明らかとなっていくさまがカメラに収められていく。
(allcinema onlineより)


「事実は小説より奇なり」とは申しますが
いくらなんでもほどがあるでしょう、この奇奇奇っぷり。
映画を見てる間、何度

何じゃこりゃぁぁ!

と似てない優作モノマネをしたことか。
こんなドラマチックなドキュメンタリー、反則ですよぅ…。


この映画の中では、いくつもの信じられない偶然が起こります。

そもそも監督と画家の出会いからして運命的すぎるし
9.11テロが起こるタイミング良すぎ(不謹慎ですいません)。
テロ後のアラブ系住民へのバッシングに対比して
画家の人生に影を落とす過去の収容所生活が浮かび上がるのも出来すぎ。
届かぬままだった「市民権復帰」の手紙、衝撃的すぎ。
50年ぶりの姉との再会、テレビ的においしすぎ。
画家が人生のほとんどの期間抱いてきたアメリカという国への怒りが
静かにほどけていくラスト、ドラマチックすぎ。

…これ、全部ホントの話。

そんなんアリかよ!


DVDに収められている監督インタビューの中で
こんな質問が監督に投げかけられます。

「作品を見た人たちの多くが『これは奇跡の映画だ』と言っています。
 このことに関してあなたはどう思いますか?」


監督はこの質問には直接答えず
「人と人とのつながり」そして「共同体」ということを強調していました。


確かに私の中にもこれを「奇跡の映画」と言ってしまいたい部分はあります。
しかしよく考えてみると

この奇跡を起こしたのは

みんな人間。

画家が人生を通して絵を描き続けたこと。
(絵がなかったら、たぶんこの人は途中で壊れてしまっていたと思う)
監督が彼のそういう姿勢に引っ張られるように
映画作家として真剣に彼の人生に向き合ったこと。

人と人とがつながること…そこからすべてが生まれる。
そのこと自体が奇跡なのじゃないか。

そう監督は言いたかったんじゃないかと思うのです。


主人公ジミー・ミリキタニが魅力的なのは当然として
私はこのリンダ・ハッテンドーフという監督のキャラクターが
痛く気に入ってしまいました。
いかにも「アメリカン母ちゃん」という感じの
垢抜けない農民チックな笑顔を見せるんですが
こういう鷹揚な温かさ、日本人にはないメンタリティーだと思いました。


まぁとにかく、とんでもなくすごい映画です。
フィクション作ってる連中も大変ですなぁ・・・。
(厳密に言うと私もその中に含まれるはずなのですが)

並大抵じゃ勝てないよこんなん!





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 いい歳をして警察に補導される恐怖におびえつつ
↓絵描き友達のみんなと去年の残りのロケット花火を打ち上げました。


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by taku-nishikawa | 2008-09-19 01:05 | ドキュ地獄 | Comments(2)
『選挙』(2007・日/米)
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2005年秋
川崎市宮前区市議会の補欠選挙が行われた。
この映画は、この選挙に自民党公認で立候補した
山内和彦という男を追いかけたドキュメンタリーである。


・・・いえいえ、別に頭がおかしくなった訳じゃないですよ。
狂ってると云うなら
もうとっくの昔から狂ってるんです。
狂った歯車をごりごりごりごり回し続けてれば
いつかその歪んだ箇所が一周して
ある日突然

かちん。

て元の位置に戻ったりしないかなぁなんて
期待してないそぶりをしつつ
じつは猛烈に期待してたりしてなかったりしてたりしてなかったり。
無理無理むりむりムリムリ。
ききっききっ。
ききっききっ。
きき・・・。
き・・・。

ききききききききききききき。


・・・ああ、すいません。
つい夢中になっちゃいまして。


本来は市議会の選挙なんて
ごくちっぽけなものらしいのですが
この議会は現状、自民と民社の議席が同数で
この補欠の1議席をどちらが取るかで
多数派が決定することになる。
要するに

小さいけれども大きい選挙

というわけです。


その“小ささ”を反映してのことなのか…
本編の主人公である山内候補は
議員経験は1度もなく
元の仕事は切手・コイン商。

記念切手を夢中で集めてるうちに

40歳になっちゃいました・・・

みたいな。
こんな私が言うのもなんですが
本当に頼りない感じの人なのです。
よくこれで公認がもらえたな、と。


このビミョーな山内さんが
3年前に結婚したという奥さんと2人
川崎市麻生区に、落下傘候補として送り込まれる。

要するに完全な素人ですからね
まわりから怒られまくるわけですよ。
しかも、先述した理由もあって
自民党のお偉いさんたちが入れ替わり立ち替わりやってきては
「君、お辞儀の仕方がなってないよ」とか
「奥さんには仕事をやめてもらった方がいいな」とか
勝手なことを言いまくるわけです。

ドス黒いおっさん達に

いいように操られる

マリオネット山内。

・・・また物腰がいかにも人形チックなんですよねこの人。


そんなふうにずっとぺこぺこしてた山内さんが
終盤、車で奥さんと2人きりになったとき
「言いたい奴らには言わせとけばいいじゃん」
みたいなクールなことを突然言い出すシーンがあって
ここは見ててぞーっとしましたね。

A.I.にも感情はあるのだ!

みたいな。
鼻が伸びちゃうよ。


ある人が

『選挙』は成功した『大日本人』だ

と言っていましたが
確かに選挙の風景を見てると、
その国の土着性みたいなものを
考えずにはいられないようなところがあります。
何か、祭りチックなんですよね。たたずまいが。


シュールで笑えるドキュメンタリー『選挙』。
たまにはこんなのもいいかもです。




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by taku-nishikawa | 2008-01-12 19:26 | ドキュ地獄 | Comments(0)
『シッコ』(2007・米)
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引越し先の部屋ではあえてテレビのアンテナをつながず
もちろん新聞も取っていない私。

浮世離れブースター点火。

現実から目を背ける能力にかけてだけは
自信満々なにしかわであります。

そんな脳みそシワなし人間にとって
マイケル・ムーアの撮るドキュメンタリーというのは
迷惑以外の何者でもありません。

一個人が国の政治を動かすこともある

とゆー事実を目の前につきつけられるんですからね。
あーヤダヤダ。
ずっとずっと無気力人間でいたい。


そんなムーアの新作のテーマは、アメリカの医療保険制度。
こんなの普通だったらガン無視決め込むところなんですが
この映画について、ある情報を耳にしまして。

野球帽デブ、キューバへ。

ナヌー?
私がキューバがらみの映画を見逃すというのは

『こち亀』の載ってない少年ジャンプ

くらいあり得ないこと。
(『HUNTER×HUNTER』復活バンザイ!)


そんな訳ですので
映画の前段はすべてすっ飛ばしまして
最後のキューバ渡航シークエンスのみについて
話を進めたいと思います。


保険のなんだかんだで問題があって
アメリカで十分な医療を受けることが出来ない患者たちを連れ
船をチャーターし、キューバへ渡るムーア氏。
最初に彼らが向かったのは

グァンタナモ基地。

島の端っことは言え、敵国キューバの中に
アメリカの基地が残っている不思議。
私も歴史的な経緯はよく知らないのですが
映画で言うと去年公開された『グァンタナモ、僕らの真実』とか
『ア・フュー・グッド・メン』なんかにも登場してます。

このグァンタナモという町へは、一度行ったことがあります。
もちろんキューバ側から、ということですけどね。
なんせ「ど」のつく田舎町ですから
アジア人観光客がやたらと珍しいらしくて
あれよあれよという間に、私と友人のまわりに
キューバ人の野次馬が100人近く。
最初はこちらも楽しく国際交流をしておったのですが
気温40度の炎天下、だんだんと頭がくらくらしてきまして

これはヤバい、ホテルに逃げ込もう

とゆーことになりました。
走り出した私たちの後を
鬼ごっこと勘違いしたらしきキューバの子供たちが
口々に「チーノ!チーノ!(中国人)」と叫びながら
何十人も追いかけてきます。

それはもう、物凄い光景。

あんな経験は、後にも先にもあれだけです。


さてムーア一行、今度は首都ハバナへ。

患者たちは、ハバナの病院へ入院することになります。
キューバは社会主義国であり、医療・教育は無料です。
(薬は有料だが、非常に安い)
アメリカで120ドルする薬が、キューバでは5セント。
あまりのショックに、女性患者は涙を流しておりました。

実は私もキューバ医療には世話になったことがあります。
熱が出て、体が異常にダルく
風邪かなぁと思って病院へ行ったのです。
(外国人でもまったく問題なく診てくれました)
そこで下された診断は

デング熱。

その場では「はぁ?」って感じでピンと来なかったのですが
家に帰って調べてみると
何か深刻な感じの伝染病じゃないですか。

オイラも異国の島の土となるのか・・・

と死を覚悟したというのは嘘ですが
まぁちょっと青くはなりました。
処方された薬を飲んでたら、数日で治りましたが。
(たぶんただの風邪だったと思う)


『シッコ』の中では
キューバ医療は天の救いのように描かれています。
治療費がタダだというのはもちろん
医療水準も非常に高い、と。

医療のレベルの高さはおそらく本当で
チェルノブイリ原発事故で被曝した旧ソビエトの子供たちは
当時同盟国だったキューバに移送され
最新の治療を受けたというのは有名な話。

しかしその反面、私がハバナに住んでいた頃というのは
ソビエト崩壊後、キューバ経済が危機に瀕していた時期であり
物資の不足が非常に深刻でありました。

いくらいい医者がいても、薬がない。

私のキューバ人の知り合いの中には
母親がガンになったけれども薬が手に入らず
やむなく裏のルートで高額な治療薬を買うことになり
そのために家と車を失った、という人がおりました。

あれから10年、多少は状況も改善したかもしれませんが
映画の中でアメリカ人たちが受けた医療が
ムーアがナレーションで言うように
「キューバ人とまったく同じ扱い」
なのかどうかは、少々疑ってかかった方がいいのかもしれません。
(町山氏情報では、ムーアは知り合いであるカストロの娘に
 事前に根回しをしたらしい)

最初にも書いたように私は完全なノンポリで
資本主義だろうが社会主義だろうが楽しけりゃいーじゃん
といういい加減な人間だったのですが
実際に目の前でそういう切羽詰った状況を見てしまうと
体制が違うからという理由だけで
頑迷にこの国の経済封鎖を続けるアメリカという国が
悪魔のように思えたりしたものです。


えー、そーゆー訳で

『シッコ』にかこつけて

キューバの思い出話をしよう企画

でありました。
ちゃんちゃん。
(映画は面白かったっス)





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by taku-nishikawa | 2007-09-25 22:19 | ドキュ地獄 | Comments(6)
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