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漫画家Nのイラストと文章で綴る映画な日々

にしかわたく (漫画家)

マンガ家・イラストレーター。生まれて初めて劇場で見た映画は『グリズリー』と『テンタクルズ』の二本立て。
現実逃避のスピードを極限まで加速すればいつか現実を追い越せると信じ、今日もロスト・ハイウェイをひた走る36歳、デブ専。
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カテゴリ:戦争はらわた地獄( 10 )
『女王陛下の戦士』(1977・オランダ)
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1937年、オランダ。
同じ下宿に住む、親友同士の男子学生7人。
ほどなくして大戦が勃発。
あるものは祖国のために戦い、あるものは敵側になり
それぞれの分かれ道を歩んでいくという群像劇。


地獄大使ポール・バーホーベン

がオランダ時代に撮った第二次大戦もの。
ナチス占領下のオランダを脱出し
イギリスに疎開中だった女王直属の兵士となる主人公を演じるのは
この数年後に『ブレードランナー』で大ブレイクすることになる

ルドガー・ハウアー。

若いです。めちゃめちゃかっこいいです。

当時のオランダでは史上最高の予算で作られたという、れっきとした歴史大作。
一見、ナチスの暴力に屈しなかった自国民を褒め称える
国威発揚映画のようにも見えますが
(原題は『Soldiers in Oreange』。オレンジはオランダのナショナル・カラー)
どこを切っても苦い苦い皮肉の汁がしみ出る
“負の戦争映画”『スターシップ・トゥルーパーズ』を撮ったバーホーベンですから
そんな単純な話で終わるはずもなく。

ナチス統治下のオランダというと
すぐに『アンネの日記』を思い出してしまう私ですが

この映画、妙に明るい。

陰惨な部分が描かれていないかと言うと、まったくそんなことはなく
拷問シーンもあれば、人体破壊描写も収容所の悲惨もあります。
人は(主要登場人物も含め)ばったばったと死んでいくんですけれども
どこか、あっけらかんとしている。
…しかもこの映画

異常に下ネタが多い。

この映画の主人公たちは
ナチスの脅威下にあっても、まったくへこたれた様子を見せず
飲みたいときは飲み、笑いたいときは笑い
隙あらば、やらせてくれる女を捜しているのです。
いみじくも北方謙三先生がおっしゃっています。

「人の死を悲しむヒマがあるなら

 ソープへ行け!」


まぁここらへんがバーホーベン面目躍如というところ。
こんな国の威信を賭けたような大作で
自分の思うとおりの作りをしてしまうところが凄い。


個々のキャラクターが実に魅力的に描かれていて
正とか邪とか、勇気があるとか卑怯だとか
そんな単純な図式で割り切れる人間は一人も出てきません。
それぞれの人間が、それぞれ全力で生きて
それぞれの道をラストまで駆け抜ける。

とにかく理屈ぬきに面白い!


バーホーベンのオランダ時代の作品は
昔、1本だけ見たことあったんですけど(たぶん『四番目の男』)
それは何かやたらと観念的な話で、今ひとつだったので
他のも似たようなもんだろと思ってたのが完全な盲点。
考えてみると、そんなんばっか撮ってて
ハリウッドに呼ばれる訳ないですよねー。


ウンコ色した傑作がずらりと並ぶバーホーベンのキャリアですが
下手したら

これが最高傑作かも・・・。

(でもなぁ…やっぱ『ロボコップ』が好きかなぁ…うーん…)

でまぁ、この監督の戦争観って結局どんななん?ってとこなんですが
『ブラック・ブック』とこの作品に共通してるのは
戦時下だろうが何だろうが、面白い奴は面白いし
つまんない奴はつまんねぇ、ってとこですかね。
ま、そう一筋縄では行きませんわな。
年齢的に言っても(38年生まれ)、直接戦争体験がある世代な訳で。
今なら『ブラック・ブック』という新たな教材もありますので
「バーホーベンと戦争」というテーマで掘り下げたら
かなり面白くなること間違いなし。
(自分で掘り下げるのは面倒なので誰かにやってほしい)


てな訳でファンの方もそうでない方も必見の映画でございます。
DVDも出てるので探してみて下さいまし!





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↓次はハリウッドでの一作目『グレート・ウォリアーズ/欲望の剣』を発掘するどー。


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by taku-nishikawa | 2008-08-20 23:53 | 戦争はらわた地獄 | Comments(6)
『赤い天使』(1966・大映)
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以前『盲獣』の感想を載せたときに
隊長さんからご推薦いただきました
増村保造の『赤い天使』
地元のTSUTAYAで発見したので借りてまいりました。
邦画に詳しい方から見れば噴飯もののレビューだと思いますが
「遅れてきた邦画好き」とゆーことで御容赦下さいませ。


時代は日中戦争の最中、舞台は中国。
前線基地に赴任した従軍看護婦・西桜(若尾文子)は
物資も無く人手も足りない過酷な状況で医療を行っている
軍医の岡部(芦田伸介)に恋をする。
激しく体のつながりを求める西だったが
岡部は長年のモルヒネ中毒で、不能になっていた。
西は彼を救おうと、禁断症状に陥った岡部を縛り上げる。
前線基地には中国軍がばらまいたコレラ菌が蔓延し
周りを敵に完全に包囲された絶望的な状況の中
奇跡的に性的機能が回復した彼と結ばれる西。
そして、中国軍による激しい砲撃が始まった…。



まーこの映画、まず何がすごいって

開始3分で主人公が輪姦される

という、携帯小説でもありえないスピード展開。
しかしこのシークエンスにはちゃんと意味があって
これ以降、主人公をさらに凄まじい地獄が待ち受けているという
観客への予告状の役割を果たしているんですね。

地獄1:
赴任したての最初の夜に、いきなり輪姦。

地獄2:
野戦病院へ、重症を負った兵隊が担ぎ込まれてくる。
医師は「こいつはもう助からない」と即座に判断し、そのまま放置するが
実はこの男、主人公の西を最初に強姦した張本人。
「看護婦さん、許してくれ…殺さないでくれ…」
必至の形相で訴える男を前に、立ちすくむ西なのだった…。

地獄3:
野戦病院に、両手を失った患者がずっと入院している。
傷はとうの昔に癒えているのだが
この手の患者を本国へ移送すれば、国民の戦争忌避感を煽るのではないかと
軍当局が飼い殺しにしているのだ。
絶望しきった男は、西に恋心を抱き
「看護婦さん、僕だって男なんだ。
 他の皆は自分で処理できるが、僕は両手がないから…」と
西に手コキをお願いするのだった。
看護婦さんの夜のサービス。
今ではエロマンガやAVですっかりおなじみになったシチュエーションですが
こんなところに原典があったのですね!
オリジナルだけに濃さは1万倍です。


…とゆー感じに主人公の地獄めぐりが続いていくのですが
これは増村作品ですから、最終的にたどり着くのはもちろん

極限状態下で咲くエロスの花園。


主人公を演じる若尾文子。
増村作品のミューズであり
熱狂的なファンが多い、伝説的な女優さんです。(&故・黒川紀章の奥さん)
私は恥ずかしながらこの人の全盛期の演技を今回初めて見たのですが

まー見事なまでのツンデレ。

これだけ人気があるのも頷けます。

近寄り難い、お堅い従軍看護婦。
しかしひとたび惚れた男の前に立てば
「先生、西を抱いてください!」
「西の体に触ってください!」
と甘えキャラに変貌。
(自分のことを苗字で呼ぶ言い方、激萌え)

いったん関係を結べばどんどん大胆になり
医師の軍服を着て、裸足の足を投げ出し
「ブーツ!」
と上官である男に靴を履かせる…

王子と乞食プレイ炸裂。

戦場の真っ只中で繰り広げられる
イメクラ、コスプレ、性別交換、倒錯の世界…。
『地獄に堕ちた勇者ども』『愛の嵐』『ラスト・コーション』といった
このジャンルの傑作群の原点はまさしくここにあります。


またこの映画、スプラッタ描写も凄まじい。
医者や看護婦は文字通り全身血まみれになり
患者の手足を大根のようにばっさっばっさと切り落としていきます。

This is the切り株!

白黒の映像でここまで痛さが伝わってくるとゆーのも
生まれて初めての経験でした。

戦闘シーンもこの時代の映画としては異常に迫力があって

火薬の量、間違えてない?

という修羅場の中を俳優たちが本気で駆けずり回っています。
DVDのオーディオコメンタリーの中で
若尾が『プライベート・ライアン』について触れているのですが
もし現代にこの監督が生きてたら
まっさきにCG技術使ったんじゃないですかね。


生まれてくるのが30年早過ぎた

天才増村保造。

凄ぇ!日本映画って凄ぇ!




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↓実は今日誕生日でした…プレゼント代わりに、ね?


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by taku-nishikawa | 2008-07-22 23:43 | 戦争はらわた地獄 | Comments(12)
『ブラックブック』(2006・オランダ)
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全身ウンコまみれの女を

やさしく抱ける男に私はなりたい。

と、例の衝撃シーンを見て
脳内で「雨ニモ負ケズ」風に思いを表現したのもつかの間
2分でどんでん返し。


まぁそれはともかく

こんなかっこいいヒロインは

久しぶりです。

性欲が強くて、生命力が強くて
キップが良くて、何より勇気がある。

やっぱ人間、強くなきゃダメなんです。
弱い人間から先に死んでいくんです。


そんな強いヒロイン像だからこそ

「悲しみに終わりはないの?」

と叫びながら彼女が崩れ落ちるシーンが
観客の胸に響くわけですが
その質問に対する答えは
イスラエルの不穏な空気を映したラストシーンで
はっきりと提示されます。
この監督の映画を1本でも見たことがある人なら
聞かなくたってわかる答えです。


悲しみに終わりはない

なぜなら

人間の悪意に終わりがないからだ。



映画監督としての全キャリアを通して
“人間の邪悪さ”を
あくまで娯楽作として描き続ける稀有な男

フライング・ダッチワイフマンこと

ポール・バーホーベン。


奴が生まれたのは1938年。
『スターシップ・トゥルーパーズ』のひねくれまくった戦争描写からは
ただごとじゃない感がひしひしと伝わってきましたが
戦争を肌で知ってる最後の世代なんですね・・・。
うーん、なるほど。






















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by taku-nishikawa | 2008-01-04 11:42 | 戦争はらわた地獄 | Comments(4)
『300』(2007・米)
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紀元前480年、ペルシャ王国の巨大な勢力がギリシャ半島へ侵攻。
100万の大軍勢の前に立ちはだかったのは
勇猛果敢で知られるスパルタの、たった300人の戦士だった・・・。
伝説の“テルモピュライの戦い”を
ハリウッドの最新鋭技術を駆使して完全実写化。
いまだかつて誰も見たことのない驚愕の映像叙事詩が今、幕を開ける!



とまぁ声高に紹介してはみたものの
世界史の成績が常に「2」だった私には
何のことだかさっぱりです。
ハリウッドの歴史大作って
『ベン・ハー』とか『スパルタカス』とかいった
古色蒼然としたスペクタクル映画のイメージが強くて
正直あんまり興味湧かないんですよね・・・。

と愚痴りつつ行った試写ですが
映画が始まると同時に

興奮のあまり鼻血ブー

忘我のあまり放屁プー

トゥギャザーしようぜルー大柴

なのであります。

まぁマッチョなスパルタ兵たちの強いこと強いこと。
隣に座っていた彦麻呂が思わず

「腹筋の万国博覧会や~」

って言ってましたからね(嘘)。

腕も足も首もばんばんちょん切れて

残酷さが逆にすがすがしい。

ペルシャ軍の描き方がまた面白くて
ゾウ、サイ、巨人、魔術、フリークス、仮面暗殺部隊と
ノリは完全に『ベルセルク』(パクった?)。

男の子用オマケが全部ついてくる。


死体の腐臭漂う戦場のリアルな雰囲気と
無双シリーズ(ゲーム)ばりの
ド派手なアクションが見事に共存。

血湧き肉踊るとはまさにこのこと。

『パイレーツ・オブ・カリビアン』に使う金と時間があったら
迷わずこちらを見に行きましょう!







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by taku-nishikawa | 2007-05-29 13:56 | 戦争はらわた地獄 | Comments(10)
『硫黄島からの手紙』(2006年・米)
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『父親たちの星条旗』でスカ引いた私。
正直この硫黄島2部作の片割れ
見たいという気持ちよりは、どちらかというと義務感とゆーか

毒を食らわば毒々モンスター東京に現る

的なノリで見に行きました。


始まってまずほっとしたのは

さすがに同国人の顔は見分けがつくぅ!

ということでした。
おそらくアメリカの観客の何割かは、『星条旗』の時の私のように
登場人物が判別できず、途中で挫折していると思います。

先に『星条旗』を見てますので
華々しい戦争映画を期待したりはしていませんでしたが
まぁ、簡単に言うと暗い。すごく暗い。話もだけど、画面も。
というのも、この映画の中の日本軍は
ご存知の通り、ほとんど地下トンネルの中で戦っているからです。

戦闘シーン自体は、『プライベート・ライアン』や『星条旗』と同じく
リアルに徹して描かれているのですが

地下トンネルという閉鎖空間

を舞台にしたことが
この映画に、ある種のうねりというか
グルーヴ感のようなものを与えていて、そこがすごく面白かったです。

特に後半、二宮くんと加瀬亮が
トンネルの中をどんどん敗走していくあたりは
前に行った京都の清水寺や長野の善光寺の

“胎内めぐり”

を思い出し、ぶるぶる震えながら見ていました。

ダンテの『神曲』じゃないですが
この映画、二宮くんを中心にした

地獄巡り

の構造になっているんじゃないかと。
(すいませんインテリっぽいことが言ってみたかったんです・・・)

神話的、ってゆーと言い過ぎかもしれませんが
そういう寓話的な要素とリアルな要素がうまくマッチしていて
これは凄い映画だなぁと思いました。


最後に、俳優についてですが
二宮くんや加瀬亮やケン・ワタナベや伊原剛志なんかは
ほっといても他の人が褒めると思いますので

私は裕木奈江をひいきしたいと思います。

二宮くんとの童顔夫婦は、なかなかに良かった。
この2人、アメリカ人の目から見ると
おそらく子供にしか見えないでしょう。

子供だけど大人だった当時の日本人

このキャスティングにはイーストウッドのそんな意図を感じました。

二宮くんの役を、日本の戦争映画にありがちな

純真無垢な童貞少年兵

でなく、既婚者のキャラクターにしたことが
この映画の重要なポイントだと思います。





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by taku-nishikawa | 2006-12-30 16:02 | 戦争はらわた地獄 | Comments(5)
『父親たちの星条旗』(2006・米)
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いやぁ・・・

最初から嫌な予感はしてたんですよ。

この日は朝からお友達のAちゃんと新宿で『ナチョ・リブレ』を見まして
その足でまっすぐ歌舞伎町へ向かい
ミラノ座で『父親たちの星条旗』をはしご。

この順番にしたのは
先月銀座で1日3本はしごしたとき

『レディ・イン・ザ・ウォーター』→
『涙そうそう』→
『カポーティ』


の順番がすごくハマったからなんですね。

1本目、バカ映画。
2本目、普通の映画。
3本目、傑作。


本数を追うごとに段々面白くなっていくので
疲れはあっても、最後まで全然ダレなかったんです。

今回は『ナチョ・リブレ』がハズレ覚悟だったので
1本目は適当にお茶を濁して
2本目の、おそらく当たり確実の『父親たちの星条旗』を見て
気分良く帰ろうという
まぁそういう腹づもり。

しかし『ナチョ・リブレ』が思いのほか楽しかったので

すっかり脳味噌がトウモロコシ風味に。

それを引きずったまんま、イーストウッド渾身の力作へ。


これが完全に失敗。


まずこの映画、構成がとても複雑なんですね。
今ハリウッド一調子に乗りまくっている男
ポール・ハゲスが脚本です。
過去と現在がやたらと行ったり来たりで
ボケた頭ではまったくついていけません。

加えて、無名俳優を多用。
これはおそらくイーストウッドのこだわりで
登場人物の無名性を重んじることで
リアルな戦場を描き出そうとか何とかそーゆーの。
ただでさえ知らない顔の俳優が多いのに
ヘルメットかぶって顔が汚れてるから
なかなか誰が誰だかわかりにくい。

そんな訳で
私が登場人物の相関図を頭の中にはっきり描けたのは
実に上映終了15分前。
それまでの2時間強は

すべてが霧の中でございました・・・

こんな状態で、感想なんか書けるわけないんです。

映画が終わって、感想聞こうと思って隣のAちゃんの方を向いたら

爆睡してるしー!!(涙)


帰ってから色んな人のレビューを読みましたが
案の定、ほとんどの人が絶賛。
パンフには蓮見大先生まで寄稿してます。

・・・もう1回見るか?

ぎゃー。面倒くさーい。


とゆーわけで、この映画

私の中では

なかったことになりました。


みなさん、映画のハシゴには
お気をつけあそばせ・・・





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by taku-nishikawa | 2006-11-09 23:15 | 戦争はらわた地獄 | Comments(5)
『チーム★アメリカ/ワールドポリス』(2005・米)
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スゲェ!!!

超超超超いー感じ!!!

『サウスパーク』のトレイ&マットが送る
究極の馬鹿×下品・アナログマリオネットムービー。
正義の味方、チーム・アメリカが世界を股にかけ大活躍。
テロリストどもをぶち殺せ!!!



『サウスパーク』は大好きなのに
なぜこの映画を今まで見てなかったのかといいますと
何かこう・・・

高尚な風刺の匂い

ってんですかね、
対テロ戦争にやっきになってる
独善的なアメリカをあざ笑ってやろう的な映画だと思ってたんです。
昔から私、特に理由はないんですけど
欧米人一流の風刺文化ってのが性に合わなくてですね。
いや、もちろんこの映画
そういう風刺的な要素もかなりあるんですよ。
しかし、私は肝心なことを忘れてました・・・
奴らが


底抜けの馬鹿


だということを。


とにかくこの映画、人形だからって何でもあり。

延々3分にわたるゲロ吐きシーン。

オーラル&アナルセックス。

脳みそ内臓飛び出し爆死

胴体切りに首チョンパ。

金正日に「I'm so lonely」と唄わせたかと思えば
相変わらずハリウッド相手には手厳しく
アレック・ボールドウィン、ジョージ・クルーニー、ティム・ロビンズ
ショーン・ペン、ヘレン・ハント、サミュエル・L・ジャクソン
リブ・タイラー、スーザン・サランドン、ベン・アフレック、
マーティン・シーン、マット・デイモン、ジャニーン・ガラファロ

あたりがやり玉にあげられてます。
(よくは知らないけど、政治的な発言が多い俳優たちなんだと思います)

トレイ&マットの素敵なところは
右とか左とか関係なく、とにかく声高に主張する人間にすべてムカつくという

中学生レベルの精神構造。

何たって、マイケル・ムーアに自爆テロさせちゃうんですからね・・・


この作品が凄いのは、こんだけ馬鹿やっといて
映画として非常に良くまとまっているところです。
緻密なマリオネットの技術も特筆もの。
ピーター・ジャクソンの『ミート・ザ・フィーブルス/怒りのヒポポタマス』
に並ぶ、このジャンルの金字塔だと思います。

前述のよう散々ハリウッドを馬鹿にしていて
映画全体が、ブラッカイマーに代表される
ハリウッド製アクションのパロディになっているんですが
私が思うにこれは

愛がなければできない仕事。

罵詈雑言吐きながらもついつい見ちゃう人が作った作品なんです。
そういう意味でこの映画、ハリウッド映画好きにこそ見てほしい。


最後に、劇中で主人公が失恋したシーンで切々と唄われる
バラードの歌詞をご紹介したいと思います。

僕はマイケル・ベイ以上に失敗を犯した
そう『パール・ハーバー』以上に
酷すぎてとても耐えられない

別れてしまった彼女に一言だけでも言いたい
『パールハーバー』は糞だ
ごめんなさい、と

ベン・アフレックに演技学校が必要なように
僕には君が必要だ
キューバ・グッディンJr.が大役を欲しがっている
彼の方がベンよりマシだろ?

君の笑顔を思い浮かべると
あの映画を思い出してしまう

『パールハーバー』は糞だ
ごめんなさい
『パールハーバー』は糞だ
君を見失った僕に比べても
さらに糞なんだ





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by taku-nishikawa | 2006-09-26 23:29 | 戦争はらわた地獄 | Comments(8)
『ユナイテッド93』(2006・米)
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見逃していたこの夏最後の大作。
今年の夏はハリウッド作品がほんとに充実していて
シネコン通いが楽しゅうございました。
(ただしこの映画、製作はイギリスのワーキング・タイトル社になってます)

この映画、たくさんの人が見たと思うし
いったん見たら何かを語らずにはいられない類いの作品なので
web上に数限りないレビューが存在します。
私は元来「実話もの」ってのが苦手ですし
戦争にも政治にも終止逃げの一手しか知らない
ノンポリ以下の下等国民ですので
この映画のイデオロギー的な方面については
ノーコメントとさせていただきます。

とりあえず私が驚いたのは、この映画の話法。
事件の時系列に沿って
ドキュメンタリータッチの映像の断片をひたすら積み上げていきます。
ひとつひとつの断片は具体的かつリアルなものなんですが
111分間、徹底して「具象」を追いかけた結果
総体として見えてくるものは、非常に「抽象」的なんですね。

「具象」「抽象」という言葉を使ったついでに
試しに絵に例えてみると、スーラの点描みたいな感じ。
絵に接近すると、丸い点の積み重なりが見えるだけなのに
1歩離れると、ものの形が浮き立ってくるような。

私の受けた印象では、この絵のタイトルは『混沌』。

この映画がやっていることは
通常の映画のドラマツルギーとは根本的に異なっており
そういう意味では「問題作」どころか
「壮大な実験作」という呼び方がふさわしいのではないかと思います。
インディーズでもやらないような冒険を
大資本を使ってやってしまうハリウッド。
いい悪いは別にして、アメリカの映画文化の奥深さを見たような気がします。


・・・と、ついつい柄にもない映画評論を全力でブチ上げてしまいましたが
実はこの映画、両親と見に行きました。

久しぶりに一緒に寿司でも食うかーってんで集まったんですけど
まだ腹が減んないから、映画見ようってことになり
たまたま『ユナイテッド93』が時間がぴったりだったんですね。

見終わった後、ラストの衝撃から立ち直れず
よろよろと劇場を後にする親子3人。
そこへ父親の第一声。


コレリ大尉はどこに出てたんだ?


・・・・・・


父ちゃん、それは『ワールド・トレード・センター』だよ・・・
あと、ニコラス・ケイジのことをコレリ大尉って呼ぶのは
いい加減止めようよ・・・






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by taku-nishikawa | 2006-09-10 10:14 | 戦争はらわた地獄 | Comments(4)
『ロード・オブ・ウォー』(2005年・アメリカ)
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ボクね、年末なのに何もやることないし友達もいないから(;_;)
部屋でみかんの汁であぶり出しの絵とか描いてたの(´ー`)
ガンダム、すっごく上手に描けたんだよぉ〜(* ̄∇ ̄*)エヘヘ
そしたらママンとパパンから電話がかかってきてネ・・・
映画に行こうって誘ってくれたのダ!\(>▽<)/ヤッター


・・・この調子で書き続けると最後まで読んでもらえなさそうなのでやめます。

ええ。ええ。
何とでも言って下さい。
いい年こいて親子3人で映画に行ったりする
うちはそういう寒い家族なんです・・・

つーわけで近場のシネコンへ。
さてどの映画にしようか、ってとこでパパンが一言。

「コレリ大尉がいい」

そうです。
うちのパパンはニコラス・ケイジのことを
‘コレリ大尉’と呼ぶ習慣があるのです・・・
「いいの?これ多分かなり暗い映画だよ」
という私の忠告にもかかわらず、
パパンの独断で『ロード・オブ・ウォー』に決まりました。

して映画が終わり、帰り道にミスドでお茶をしていると
パパンがいきなり叫びだしました。

「あんなコレリ大尉は嫌いだ!」

どうやら武器商人のニコラス・ケイジが
最後まで改心しなかったことに憤っているご様子。
ピカレスクロマンなんだからしょーがねーだろー・・・
つーかアンタ、バッドエンディングの映画って無条件にダメな人じゃん。
だからあんなに『Mr.アンドMrs.スミス』にしようって言ったのに。

『あのアフリカの土人どもは何だ!

民度が低すぎる!』

その後もミスド中に響きわたる大声で
狂ったように差別用語を叫び続けるパパン。
口の横にフレンチクルーラーの砂糖がついているのにも気付かず。

父さん、

あなたはかっこいいです・・・

そんな父、66歳。プライスレス。


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面白いと思った人は投票してぇ〜ん。
つまんなかった人はいいです。
↓うそ。押して押して。


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by taku-nishikawa | 2005-12-29 03:10 | 戦争はらわた地獄 | Comments(12)
亀も空を飛ぶ(2004年・イラン/イラク)
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泣ける映画

ってフレーズ、毎日いやっていうほど耳にしますね。
日本語の文法を教わったのもう20年近く前なんで、誰かにききたいんですけど
この「泣ける」の「る」って助動詞、どういう意味なんでしょうか。
私の解釈ではこの「る」は「自発」、
つまり「(自然に)泣けてくる」だと思うんですけど
どうも世間(主に映画会社の宣伝)での最近の使われ方を見てると
「可能」の意味で使われてることが多いような気がします。
「この映画見ると、泣くことができますよ」と。
要するに「お前ら泣きたがってんだろ?」という思いこみが前提としてあって
「どーぞ、思いっ切り泣いてストレス発散して下さいな」
と言いたいわけです。

冗談じゃないっつーの。

泣こうが笑おうがこっちの勝手じゃい!
誰が映画会社の思惑通りに泣いてなんかやるもんか。ふん!

・・・と珍しく怒ってみたのはなんでか。なんでかフラメンコ。
こういう「泣ける」「泣けない」だのといった
くだらない概念を根こそぎ吹っ飛ばしてくれる
スゴイ映画を見たからなんですね。
昨日書いた、人生変えそうな映画の2本目、『亀も空を飛ぶ』。

アメリカのイラク侵攻を舞台に
地雷を掘り出し、それを売った金で生きている
クルド族の孤児たちを描いた映画なんですが
結果から言いますと

私、死ぬほど泣きました。

もうシャツまでびしょぬれ。何年ぶりでしょこんなの。
ただこの涙、今まで出たことがないような種類の涙でした。
感動したのでも、同情したのでもなくて

怖さのあまり泣きじゃくった

んですね、私。

見る人によって感想がかなり違ってきそうなストーリーではありますが
とりあえず、インパクトでこれを越える作品は
古今東西探してもそうはないでしょう。
「映画ってスゲぇ」ってのを思い知らされた1日でした・・・


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by taku-nishikawa | 2005-11-12 23:00 | 戦争はらわた地獄 | Comments(3)
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