にしかわたくの「こんな映画に誰がした?」
2008-11-21T03:40:28+09:00
taku-nishikawa
漫画家Nのイラストと文章で綴る映画な日々
Excite Blog
『ヤング@ハート』(2008・米)
http://takunishi.exblog.jp/9028908/
2008-11-21T03:37:00+09:00
2008-11-21T03:40:28+09:00
2008-11-21T03:38:25+09:00
taku-nishikawa
ドキュ地獄
マサチューセッツ州の小さな町ノーサンプトンで
高齢者向け公営住宅の住人によって結成された
コーラスグループ「ヤング@ハート」。
撮影当時、メンバーの年齢は75歳から93歳。
ロックやパンクを中心とした超攻撃的なレパートリーが話題になり
海外公演を行うまでの成功を収めている。
本編は、彼らが新しいショーを作っていく過程を
7週間にわたって追ったドキュメンタリーである。
埼玉奥地のレイトショー、観客は2人だけ。
見知らぬ相方は、ねずみ色のパーカーにニット帽のお兄ちゃん。
靴下を脱ぎ、前の席に足をのっけて
持ち込みが禁止されてるネクターを飲むお行儀の悪い私。
映画が進むうちに脳裏に浮かんできたのは
なぜか
漫画『スラムダンク』。
あの漫画があそこまで感動的なのは
コートに立っている選手たち一人一人の気持ちを
それこそ相手チームの控え選手に至るまで
丁寧に丁寧に掬い上げてくれるから。
そして、そのことを通して読者に伝わってくるのは
この子たちは
本当にバスケが好きなんだ
とゆー、疑う余地のない実感。
「人は歳を取ると子供に帰る」と申しますが
私たちがこの映画で目撃することになるのは
“ボケる”とか“丸くなる”とか
そーゆーのとはまったくの逆ベクトルの
自分の欲望に忠実な老人たち。
したいことをする。
したくないことはしない。
自分にとって、明日という日があるかどうかわからない
死が本当に身近なものとして感じられる状況で
(実際、撮影中に数人のメンバーが亡くなっていく)
彼らは「歌」を選んだのです。
漫画史に残る、ミッチーの名ゼリフ
「安西先生…バスケがしたいです…」
この映画に出てくる老人たちは、一人の例外もなく
あのときのミッチーと同じテンションで、歌に取り組んでいるのです。
心を打たない訳がない。
前日に発作を起こし緊急入院
医者にも家族にも止められる中
それこそ這うようにしてリハーサルに出てくる老人。
ここで思い出すのは
山王戦で、背中を痛めた桜木花道が
「オヤジの栄光時代はいつだ?全日本のときか?
オレは…オレは今なんだよ!」
と出場を懇願するシーン。
涙が出ない訳がない。
中盤、刑務所慰問コンサートで歌われる
前夜に亡くなったメンバーに捧げられた一曲
ボブ・ディランの『フォーエバー・ヤング』。
May God bless and keep you always,
神様がいつもあなたを祝福し、守ってくれますように
May your wishies all come true,
あなたの願いが、みんな本当になりますように
May you allways do for others
あなたがいつも人のためにやってきたこと
And let others do for you.
そして人があなたのためにしてきたこと
May you build a ladder to the stars
星に向かって掛けた梯子を
And climb on every rung,
あなたがちゃんと登っていけますように
May you stay forever young,
あなたがいつまでも若くいられますように
Forever young,forever young
いつまでも若く いつまでも若く
May you stay forever young.
あなたがいつまでも若くいられますように
これを聴いてる受刑者たちの表情が
うまく言えませんが、凄まじい。
それぞれどんな犯罪を犯した人間なのかはわかりませんが
詩と曲が彼ら一人一人の奥深くまで沁み込んでいくのが
表情から手に取るようにわかります。
まぁそれを見ている私の顔も
涙でぐちゃぐちゃで凄いことになってた訳ですが。
最近、精神的にめっきり老け込んで
クラシックばっかり聴いてる自分に喝。
真にロックな1本でした…。
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↓『ボーイズ・オン・ザ・ラン』の最終巻、ジョナサンで読みながら号泣。
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10月のおもらし
http://takunishi.exblog.jp/8992869/
2008-11-16T22:03:04+09:00
2008-11-16T22:03:53+09:00
2008-11-16T22:03:53+09:00
taku-nishikawa
映画雑感
今回は更新さぼってたので本数多いですよー。
(★5つが満点)
『12人の怒れる男』(2007・露)★★★
面白い…けど長い。すんげぇ長い。
12人それぞれの事情を丁寧に丁寧に描く
このクソ真面目さはいったい何でしょう。
ニキータ・ミハルコフってこんな監督でしたっけ。
私はむしろこの人のフニャチンぶりが好きだったのですが…。
今これをリメイクした監督の意図がどこらへんにあるのか
現在のロシアの政治状況を含め、個人的に調査中。
『イーグル・アイ』(2008・米)★
試写室に入るとき、携帯を袋に入れて封をさせられ
金属探知機まであてられるという厳戒態勢のわりには
どーにも古臭いテーマに拍子抜け。
お題目がデカいと、空振ったとき目も当てられません。
『恋はワンダフル?』(1997・米/英)★★
ジャニーン・ガラファロ主演になる希少なラブコメ。
生き馬の目を抜くニューヨークと、アイルランドの小さな漁村の
カルチャーギャップがテーマですが、脚本のキレがいまひとつ。
このジャンルの傑作『ローカル・ヒーロー』がもう一回見たくなりました。
『最高の人生のは見つけ方』(2007・米)★★★★
ジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマンが
老境に入って人生の機微をうんぬん…
んで監督がこれまた手堅くロブ・ライナー…
あまりといえばあまりの王道感に、なかなか手が出なかった一本。
結局、当たり前のように面白い映画でした。
フリーマンの暴れはっちゃくぶりが最高です。
『ストンプ!』(2007・カナダ)★★
“ストンプ”ってゆーと
ドルビーのCMやってるアレをすぐ思い浮かべてしまいますが
一昨年公開された『ストンプ・ザ・ヤード』では
大学のバンカラ応援団がやってる伝統芸みたいな扱いで
(ラグビーのオールブラックスが試合前にやる儀式に似てる)
カナダ映画の本作では、ジャマイカ系移民の間で盛んな
ストリート文化として描かれています。
ブラックミュージック&ダンス好きとしてはこの差がちょっと気になる。
映画自体はごくごくフツーの青春ダンスものでした。
『ドグマ』(1999・米)★★★★
キリスト教のからみが面倒臭そうでずっと敬遠してた1本。
見てみたら、良くも悪くもノリがマンガっぽくて
オタク日本人にもすんなり腑に落ちる映画でした。
アラニス・モリセットは凄いハマリ役だなぁ。
ウンコの塊に襲われるのは嫌ですね、やっぱ。
『恋に唄えば♪』(2002・東映)★
優香の映画女優としてのキャリアを
『輪廻』まで3年にわたって封印せしめた凶悪な1本。
このつまらなさは確かに規格外。
上映時間の100分が、面かぶりクロール100メートル並みの苦しさです。
最近私は竹中直人がクレジットされてる映画は見ないようにしております。
『グリーン・フィンガーズ』(2000・英)★★★
クライブ・オーウェン、ヘレン・ミレン共演と
今から見ると豪華な組み合わせの小品。
都立八王子東高校・元園芸部部長のノルマとしてチェックしました。
劇中に登場する園芸コンクールは“ハンプトンコート・フラワー・ショー”ですが
それより規模が大きいと言われる“チェルシー・フラワー・ショー”では
ここ3年、日本人が連続優勝していることは皆さんご存知でしょうか。
『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』(2007・米)★★
ロメロ信奉者には悪いですが、はっきり言ってつまらん。
最近流行の“モキュメンタリー”手法が完全に空振りで
他には何ひとつ新味がありません。
タイトルにもクレジットされてる愛弟子たちが元気なだけに
ここらでいっちょガツンとしたの作ってくれないと
元祖といえども立場がヤバくなるのでは?
『マック』(1988・米)★★
『E.T.』の二匹目のドジョウを狙って作ったら
ドジョウがヤツメウナギになってしまった暗黒映画。
エイリアンの造形がとにかくグロテスクで
感情移入の余地が一切ありません。
アウシュヴィッツのやせ衰えたユダヤ人のようで、正視に堪えない。
最終的に彼らにアメリカの市民権を与えるというラストも
白人中心主義の傲慢さが見え隠れして言語道断。
『恋するシャンソン』(1977・仏/英/スイス)★★★
『去年マリエンバートで』のアラン・レネ爺さんが
若い才能、アニエス・ジャウィと組んで作ったミュージカル群像劇。
「セリフの一部分を既存の流行歌で吹替える」というワンアイデア映画なんですが
これが意外に面白い効果を生み出してます。
ナチスの将校がエディット・ピアフの声で「だってパリが好きなんだもの~」と
突然歌い出すオープニングから、どっぷりハマってしまいました。
『ニューヨークの恋人』(2001・米)★★★
先日取り上げた、ジェームズ・マンゴールドの作になるラブコメ。
タイムスリップ、カルチャーギャップギャグ
貴族と平民の価値観対決、ラブストーリーと
詰め込みすぎてやや消化不良の感があり
結果的にキャリアウーマン向け接待映画に。
それより何よりメグ・ライアンが賞味期限切れです。
『宮廷画家ゴヤは見た』(2006・米/スペイン)★★★
ハビエル・バルデムの豹変ぶりは面白いですし
ナタリー・ポートマンもめちゃめちゃ頑張ってるんですが
どこか求心力に欠けるのは、やはり主人公が傍観者だからでしょうか。
ミロシュ・フォアマンにはやはりさらなる高みを期待してしまいます。
『恋のからさわぎ』(1999・米)★★★
ヒース・レジャーのブレイク作。
なるほど、こんな感じで出てきたんですか彼は。
校庭で「君の瞳に恋してる」を歌うシーン、確かに輝いてますねぇ。
孤高キャラのジュリア・スタイルズが聴いてる音楽が
意外とぬるいガールズ・ロックだったりするのは
やはり最近流行の“オタクから見た学園生活”ムーブメントの
出現以前だったということなのでしょう。
妹が着てる「阪急電車、急行は速い」Tシャツが謎…。
『フォクシー・レディ』(1980・米)★★★★
ジョディ・フォスターのコギャル姿が超絶的にカワイイ!
彼女のキャリア中、最高の萌え度を誇るのが個人的にはコレ。
複雑な家庭環境とドラッグ中毒でドロップアウトしていく
シェリー・カリー(ザ・ランナウェイズの元メインボーカル)が
土屋アンナ似のルックスでまた素晴らしい。
エイドリアン・ラインの長編デビュー作でもあります。
いくつかある女子版『スタンド・バイ・ミー』(こちらの方が古いですが)の中では
ダントツに良く出来ていると思います。
『アナトミー』(2000・独)★
フランカ・ポテンテ主演のうんこ映画。
『天使が降りたホームタウン』(1989・米)★★
ここのところ個人的に追っかけている監督
アンドレイ・コンチャロフスキーのハリウッド第5作。
知恵遅れのジェームス・ベルーシと
脳腫瘍のウーピー・ゴールドバーグのオフビートなロードムービー…
と書くと結構良さそうに聞こえますが、どこか散漫でやりたいことが見えず。
すでに何かが壊れ始めています。
『デッドフォール』(1989・米)★★
同じくコンチャロフスキーが監督。
いきなり作風が一変して
スタローンとカート・ラッセル主演の娯楽アクション。
出来は普通だと思いますが、この監督を知っている人間が見ると
「何か大事なものを捨てた」感がありありで、非常に痛々しい。
この作品の2年後、原点に戻って
硬派な意欲作『インナー・サークル 映画技師は見ていた』を撮った後
劇場映画からは遠ざかることになるコンチャロフスキー。
ソ連に残った実弟ニキータ・ミハルコフのキャリアと比べてみるのも
なかなか興味深いのであります。
『さらば冬のかもめ』(1973・米)★★★★★
何度見てもよろしおすなぁ…。
ささいな窃盗で軍刑務所に8年の実刑を食らってしまった若者を
護送するおっさん軍人2人。
ハル・アシュビーの素朴な味が全篇に染みわたる珠玉の名作。
凍った湖の上で「パン抜きのホットドッグ」を食べる
3人のしょぼくれたたたずまいは
『ストレンジャー・ザン・パラダイス』の元ネタか。
途中やたらと日蓮宗にかぶれたアメリカ人が出てきますが
あれはもしかして創価学会?
『ブーリン家の姉妹』(2008・米)★★
姉妹の愛憎の話なんですが、どーもねー。
スカーレット・ヨハンソン演じる妹は日和見主義者で自主性ゼロ。
ナタリー・ポートマンのお姉さんはちょっとキツい性格なんだけど
悪人になりきる覚悟はなし。
世間での評判は割といいようですが
とにかくキャラクターの性格が中途半端でイライラする映画でした。
ところで見た後に聞いたんですが
アナ・トレントが出てたってホント?
『しあわせのかおり』(2008・東映)★★★★
まったく期待してなかったんですが、意外と拾い物。
中谷美樹は顔がガイコツなので大の苦手なんですが
不器用だけど一生懸命なシングルマザーの役で
見てて痛々しい感じがハマってたと思います。
藤竜也が作る「トマトの卵いため」、超おいしそう!
『マルタのやさしい刺繍』(2006・スイス)★★
スイスの保守的な田舎町のおばあちゃんが
若い頃の夢だったランジェリーショップを開くとゆーお話。
うーん…普通。
『悪魔のリズム』星なし
キューバがらみらしいんで一応見とくかーと試写に行って
完全に外した1本。それはそれはひどい出来。
日本人が製作にからんでなかった、絶対に公開されないレベルです。
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↓とうとう親戚中唯一の独身者になった。
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『君に逢いたくて』(1995・米)
http://takunishi.exblog.jp/8962263/
2008-11-13T02:17:00+09:00
2008-11-13T02:37:01+09:00
2008-11-13T02:18:33+09:00
taku-nishikawa
ラブラブ地獄
リブ・タイラーのファン以外は手に取る理由がない
日本未公開の彼女のデビュー作。
先日、他の調べ物をしてたときに偶然この映画がひっかかって
何とはなしにスタッフの名前を見てみたところ
監督:ジェームズ・マンゴールド
とあります。
どっかで聞いたことのある名前だなぁ…と
フィルモグラフィーを開いてみてびっくり。
『君に逢いたくて』(1995)
『コップランド』(1997)
『17歳のカルテ』(1999)
『ニューヨークの恋人』(2001)
『アイデンティティー』(2003)
『ウォーク・ザ・ライン/君につづく道』(2005)
…10割打者じゃん!(私的に)
『アイデンティティー』の反則アイデアは私の好みど真ん中ですし
『コップランド』も地味だけど悪くない。
『ウォーク・ザ・ライン』も渋くていい映画でしたよね。
『17歳のカルテ』にはちょっと言いたいこともあるけど
アンジーにオスカー取らせた功績は大きい。
コイツが撮ってんならつまんないはずがない!
って訳で、やはり未見だった『ニューヨークの恋人』と合わせて
見てみたんですが…
案の定良いんですなコレが。
話の舞台は、ピザ屋兼バーみたいな、田舎の古びた店。
年老いた女主人(シェリー・ウィンタース)が経営するこの店で働いているのは
知恵遅れ気味の中年息子(プルイット・テイラー・ヴィンス)と
年増のあばずれウェイトレス(デボラ・ハリー)。
この淀んだ環境にバイト店員として飛び込んでくるのが
親に反発して大学進学を棒に振った若い娘(リブ・タイラー)。
ねっ?この時点で渋いキャスト含め、かなりいい感じでしょ?
リブ・タイラーにはいかにもダメな感じの彼氏がいるんですが
頭はスローだが善良な息子との間に
淡い淡い恋愛感情のようなものが生まれます。
「誰も気づいてないけれど
あなたは本当に素晴らしい人だわ」
ピザを焼くだけが取りえのハゲデブマザコン中年に
天から舞い降りたハイティーンの天使、リブ・タイラー。
ねじれにねじれた魂を抱えたオタク中年としては
感情移入せざるをえない展開です。
そのうち、店の主人である母親が急死。
この小さな幸せが失われてしまうことを恐れるあまり
息子は母親の死を誰にも告げず
自分の中でもそれをなかったこととして
砂の城郭を維持しようと、虚しい努力を続けます。
この「自分に嘘をつき、それを信じ込む」くだりの演出が
なかなか怖く、かつ面白い。
小説で言う
“信用できない語り手”
ってやつですな。
ウィノナ・ライダーが『17歳のカルテ』の演出を
この監督にオファーした理由がよくわかります。
さて、この監督に関してもうひとつ話題が。
最新作の『3:10 to Yuma』。
53年の西部劇『決断の3時10分』のリメイクで、本国では昨年公開済みなのですが
こちらでは劇場公開どころか、DVDリリースの噂すら…。
主演がラッセル・クロウにクリスチャン・ベイルですよ!
日本側の映画会社の冷たい反応を見る限り
超絶地味系映画とゆー可能性もありますが(IMDBの評価は8.0点)
とりあえず見たいですわなぁ、やっぱ。
誰に頼んでいいか全然わかりませんが…
よろちくおねがいしまちゅ!
ブログランキング〜
↓ファミリー連れでファミレスに行ったことがない。
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取材後記
http://takunishi.exblog.jp/8946093/
2008-11-11T06:26:00+09:00
2008-11-13T02:38:11+09:00
2008-11-11T06:27:22+09:00
taku-nishikawa
仁義無き日常
まーそんなこんなで
行って参りました、取材。
これ、「ちゃぐりん」という子供向け雑誌でやっている仕事でして
妖怪研究家の村上健二氏の道案内で
全国の不思議スポットを回るという企画。
1日目に行ったのは、下関の赤間神宮。
壇ノ浦の合戦で海に沈んだ平家一門を祀ったことで有名な寺(現在は神社)。
小泉八雲の「耳なし芳一」の舞台にもなっております。
私の2大アイドル
耳なし芳一&安徳ちゃん
に会えるということで、個人的にはテンションMAX。
安徳ちゃんといえば、諸星大二郎の『海竜祭の夜』。
いたいけフェイスが海蛇と合体したあの姿
一目惚れしたのは私だけではないでしょう。
で、楽しみにしていた安徳ちゃんにご対面したのですが…
ビタ一文可愛くねぇ!
ふてぶてしい顔から察するに、落合福嗣みたいな性格と見た。
しかしその分、芳一の像は中性的で萌え要素たっぷり。
しかし「耳なし芳一」ってな本当によくできた話ですよね。
ビジュアル的にもかなりおいしいシーンが多いですし
映画になっててもいいと思うんですが
過去にあるのは小林正樹の『怪談』くらい?
芳一だけで充分2時間行けると思うんですけどね〜。
新作を作るとしたら
脳内主演は宮崎あおい。
無論ハゲヅラで。
素肌に筆で経文を書いていくくだりをエロくエロく撮ってほしい。
微妙な箇所に筆が及ぶと、思わず漏れる溜息…
ポルノ日本の面影。
(似たようなことグリーナウェイがやってましたが…)
2日目は九州に渡りまして、博多の竜宮寺。
ここの呼び物は、人魚の骨。
ビーチクにお花をあしらうセンスが何とも言えません。
ダリル・ハンナの人魚よりはイケてるんじゃないでしょうか。
平安時代、浜に人魚の死体が上り
阿部某という陰陽師が「吉兆である」とかテキトーなこと言ったんで
しょうがなく海辺のお堂に塚を作って埋めたとかなんとか。
実物はこんな感じです。
写真だと大きさがわかりにくいですが
これがかなりの太さ。
本物だとすると、『あばしり一家』の法院大子くらいの体格です。
人魚の肉は不老長寿の妙薬と申しますが
なんでも明治初期までは
祭りのたびに、この骨を水を入れたタライにひたして
その水を客に飲ませていたとか。
(その後衛生面が問題になり禁止された)
それが巡り巡って、博多名物の豚骨ラーメンの発祥に…
とゆーのは私の勝手な妄想ですが。
…てな訳でなかなか充実した取材ではありましたが
博多で入ったラーメン屋で
清水健太郎の色紙
を発見してちとブルーになりました…。
ブログランキング〜
↓ホテルではペイチャンネルも見ずに、PCで「オッターヴァ」聴いてた真面目な私。
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蒸発予告
http://takunishi.exblog.jp/8922935/
2008-11-08T06:17:50+09:00
2008-11-08T06:18:38+09:00
2008-11-08T06:18:38+09:00
taku-nishikawa
仁義無き日常
思いきり後を濁したまま、これから福岡へ取材旅行です。
仕事関係の皆様、ブログにコメント下さっている皆様、ほんとすいません。
さっきまでジョナサンで仕事してたんですが
何度めかの強烈な睡魔が襲ってきて
もーだめか、これまでかと諦めかけたとき
となりの席に座ってたビッチテイストな女子2人連れが
ザーメンの味について話し始めました。
どうやら2人とも風俗嬢のようで
「穴の限界」とか
「スマタより本番の方が楽」とか
「3年半通ってて一度も発射したことない常連のおっさん」とか
いかにも雅びやかな話題が後から後から。
おかげでぱっちり目が覚めました。
ありがとう赤線のおねえちゃん。
では、逝ってまいります・・・
ブログランキング〜
↓新幹線の隣の席に風俗嬢が座りませんように。
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『野球狂の詩』(1977・日活)
http://takunishi.exblog.jp/8898530/
2008-11-05T00:28:00+09:00
2008-11-05T00:37:08+09:00
2008-11-05T00:29:06+09:00
taku-nishikawa
すぽぉつ地獄
ユニフォームを着ると股間の部分が非常にアレな
モリマン水原勇気(木之内みどり)
が、協約を完全無視してプロ野球入り。
七色の魔球“ドリームボール”で
並み居る強打者をバッタバッタと三振に斬ってゆく、野球ファンタジー。
水島新司原作と言えばまず思い出すのは
“知能指数ゼロメートル地帯”の称号を授かった
鈴木則文監督の伝説の映画『ドカベン』。
存在自体が奇跡のようなこの野球…ではなく柔道映画を
「天に愛された作品」とするならば
もうひとつの水島先生の代表作『野球狂の詩』の実写版は
「人間愛の溢れる労作」と呼んであげたい。
本当にプロ野球を愛する人たちが作った
そして
愛しすぎたがゆえに
バカ映画になってしまった
実に人間臭い(おじいちゃんの口、くさ~い)1本なのであります。
お話は東京メッツの超ベテラン投手、岩田鉄五郎の引退試合で幕を開けます。
このオッサン、なんと御年53歳。
演じるは怪優といえばこの人、小池朝雄。
ただでさえ悪い血色が、老けメイクでさらに物凄いことになっており
ハトの糞だらけの銅像
みたいな顔色をしています。
球もフォームも年相応にへろへろ。
これはおそらく野球映画史上初だと思いますが
「飛んでいるボールにトンボが止まる」という
マトリックスばりのVFX
が拝めます。
どんなに打たれても引退試合だから交代はなしという訳で
結果は53対10でメッツの負け。(アメフトか!)
しかも試合後には引退撤回してブーイング浴びまくり。
男・岩田鉄五郎、勝負にこそ敗れましたが
688球を投げ抜く異常な鉄腕
を見せつけました!
…タイトル前ですでにこの濃さですからね。
もうおなかいっぱいですよ。
現役時代のノムさんが水原勇気相手に三振するシーンや
『ドカベン』に続き
限りなく産業廃棄物テイストなヒゲ面
を披露する水島大先生
球団の寮でセクハラの限りを受けまくる木之内みどりなど
全篇みどころたっぷりなのですが…
この映画、根本的な欠陥が。
怪我で若くして引退を決めた選手や
長年親しんだ球団からトレードに出されたベテラン捕手など
プロ野球の厳しさと選手たちの心の機微をえらく丁寧に撮っていて
素朴な語り口でなかなか泣かせるんです。
もしかして凄ぇ傑作かも・・・
と感心していたら
人間ドラマ描きすぎて、案の定時間が足りなくなって
肝心のドリームボールが
完成しないでやんの!
たぶん続編作るつもりだったんでしょうけど
これ以降の日活は経営傾きまくりでそれどころじゃなかった訳で。
『20世紀少年』なんて糞つまんない映画を3本も作るんだったら
思い切って残りの2本やめちゃって、かわりにコレの続きを作って下さい!
マジでマジでマジで!
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↓小室の最高傑作は「愛しさと切なさと心強さと」だと思う。
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『トロピック・サンダー』(2008・米)
http://takunishi.exblog.jp/8891510/
2008-11-04T05:02:44+09:00
2008-11-04T05:03:32+09:00
2008-11-04T05:03:32+09:00
taku-nishikawa
お笑い地獄
こんばんは。
先ごろドブに捨てた30万円を補填すべく
副業を始めた男・にしかわです。
んーで、これ。『トロピック・サンダー』。
この秋公開される映画の中では、ダントツの期待作。
自分で監督した映画は今まで打率100%のベン・ステイラー
ハリウッドで今最も乗りに乗っている男、ロバート・ダウニー・Jr
とにかく目が離せないジャック・ブラックと
どこから見ても隙がないメンツ。
ずいぶん前からいい評判ばかり耳にしておりまして
これだけは間違いないだろうと、安心して試写を見たのですが…
うぅぅぅぅぅぅぅむ。
明らかに期待しすぎていた上に
なんだかんだでプロットはすべて事前に耳に入っていて
しかも爆発的に面白いシーンは、みんな予告で見ちゃってる。
後から頭で考えると良く出来た映画だと思うんですが
見てる最中は、爆笑ってとこまで行けませんでした…。
「予備知識」とか「事前の期待」って
ほんと邪魔以外の何者でもない。
「どんなに期待がでかくても
それ以上のものを見せてくれるのが本物の傑作」
ってゆーのは確かに正論で、実際、年に数本はそういう例にぶつかりますが
そんな化け物みたいな映画って
なかなかあるもんじゃないんですよねー。
「傑作じゃないんだったら、楽しめなくて当然じゃん」
と思う人がいるかもしれませんが
私の本音はこうです。
どんなひどい映画だって、楽しく見たい。
だってその方がゼッタイ得だもん!
それがわかってるから
日頃から映画評とかなるべく見ないようにしてるんですが
完全に情報を遮断しちゃうと、面白い映画をいっぱい見逃すことになる。
「ネタバレなしならOK」かというとそうとも限らなくて
ストーリーにまったく触れてなくても
決定的なイメージを植えつけられてしまうってのはよくあることなのです。
しかもその文章なりお話なりが面白ければ面白いほど
影響力も大きくなるってのがまた難しいところで。
野球の世界には
「名選手、必ずしも名監督ならず」とゆー言葉がありますが
映画でいうと、こういうことになりますでしょうか。
優れた映画評が
優れた映画紹介であるとは限らない。
んん~悩ましい悩ましい…。
とゆー訳で、私のような犠牲者を少しでも減らすため
今日は映画の内容については一切触れませんでしたが
ひとつだけ言っちゃおうかな…
一番面白かったのはステイラーでもダウニーJr.でもブラックでもなくて
カメオ出演のア・イ・ツ。
「アイツ」の正体を確かめたい方は、ぜひとも劇場へお出かけ下さいまし!
ブログランキング〜
↓夜がまた来る。
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『かけひきは、恋の始まり』(2008・米)
http://takunishi.exblog.jp/8875879/
2008-11-02T00:35:00+09:00
2008-11-04T05:05:34+09:00
2008-11-02T00:36:06+09:00
taku-nishikawa
すぽぉつ地獄
1920年代…プロのアメフトがまだマイナースポーツだった時代。
ドッジ(ジョージ・クルーニー)はベテランの名物選手だったが
長年キャプテンを務めてきた「ダルース・ブルドッグス」が
不況のあおりをうけ解散の危機に。
そこでドッジは一計を案じ、第一次大戦の英雄であり
大学アメフトの超人気選手・カーター(ジョン・クラシンスキー)を
大金を積んでスカウトし、チームの再生に成功する。
そんなカーターを密着取材する美人記者・レクシー(レニー・ゼルヴィガー)。
実は彼女の目論みは、カーターの本当の戦歴を聞きだし
彼が“作られた英雄”であることを暴露することだった。
ただでさえ複雑なこの3人、恋愛面でも三角関係に発展。
そんなドタバタの中、ライバルチームに電撃移籍するカーター。
恋とスキャンダルと男のプライドを賭けた世紀の一戦が、今幕を開ける。
『コンフェッション』『グッドナイト&グッドラック』に続く
ジョージ・クルーニーの監督第3作。
前2作を見た方はおわかりの通り
この人、見かけによらず
なかなか腰の入った映画を作ります。
今回はアメフトがビッグ・ビジネスに生まれ変わる前夜を
往年のスクリューボール・コメディ(…ってゆーんだそうです)
のスタイルで撮り切りました。
「今年は映画の当たり年」と何度も言っている私ですが
実を言うと、ラブコメだけはハズレ続き。
大好物ジャンルの不作を寂しく思っていたところにこの映画。
あのオッサンならきっとやってくれる…。
つぶらなお目々をキラキラさせながら試写室へ向かう39歳。
…で結果、良い方に裏切られました。
金離れのいい女性客を当て込んで、この邦題をつけたんでしょうが
中身は完全に“男の映画”。
クルーニーとゼルヴィガーの丁々発止のやり取りは文句なしに楽しく
恋愛ものとしてもよく出来ていることは事実なんですが
この映画の核になるテーマはズバリ
「プロスポーツの功罪」。
原題の『Leatherheads』は
当時のアメフト選手が被っていた皮製のヘッドギアのこと。
ごっつい防具に包まれた、ロボットじみた選手の姿しか見たことのない我々の目には
この20年代の素朴なアメフトのスタイルが実に新鮮に映ります。
限りなく「草アメフト」に近かったこのスポーツが
現代のようなショーアップされたビッグ・ビジネスに生まれ変わることで
確実に失われたものがある。
そのことをこの映画は教えてくれます。
ラフ・プレイ(ときには乱闘も含む)や
選手のずるさ(サッカーで言う“マリーシア”)。
たくさんの人間が見、大きな金が動くことで
「公正」の名の下、こういった人間臭い猥雑さがスポーツから排除されていく。
加えて、現代のプロスポーツとは切っても切れないテレビ中継という要素。
CMにあわせてプレーを止め、ビデオ判定を盛り込むなど
ゲームはどんどん人間の手から離れていく。
こうした「管理されたプロスポーツ」
引いては「現代という時代そのもの」に対して
ロートルのジョージ・クルーニーが単身で戦いを挑んでいくラストは
巨大な風車に立ち向かうドン・キホーテ
を見るようで、胸が熱くなりました。
最後に主演の2人についてちょいと。
クルーニーが脚本段階で決めていたという、レニー・ゼルヴィガー。
確かにコメディエンヌとしても芸達者で、個人的には好きな女優なんですが
この
瘤取り嬢ちゃん
に、まわりが口々に「美人記者、美人記者」言うのがちょっと寒い。
クルーニーとのキスシーンで、2人の顔を逆光で撮って
シルエットだけで見せるカットがあるんですが
ゼルヴィガー嬢のほっぺの線が見えちゃってて失笑。
この人はどこまで行っても
シャーリー・マクレーンタイプのファニー・フェイスなんだから
始めっからそーゆー設定にすりゃ誰も傷つかずに済むでしょうに…。
そこへ行くとジョージ・クルーニーはほんまいい男ですな~。
体の隅々から
古き佳きハリウッドオーラ
が溢れまくっております。
『フロム・ダスク・ティル・ドーン』で最初に見た時は
「テレビ顔のあんちゃんやな~」とゆー感想だったんですが
(ブルース・ウィリスの時も同じことを思った)
いい感じに歳を取って、渋みが増してきた今になってみると
ブラッド・ピットやマット・デイモンが進んで舎弟になりがたる気持ちが
よーくわかります。
ま、とゆーことで
チケット売り場で言うのが照れ臭いタイトルになっちゃってますが…
スポーツ好き男子に
特にオススメでーす!
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↓夜になって鍋買いに出たら道に迷った。暗いよ寒いよ怖いよー。
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『ブッシュマン キョンシーアフリカへ行く』(1991・香港)
http://takunishi.exblog.jp/8867879/
2008-10-31T21:43:26+09:00
2008-10-31T21:36:28+09:00
2008-10-31T21:36:28+09:00
taku-nishikawa
未分類
サザビーズのオークションに“中国古代のミイラ”(キョンシー)が出品された。
入札したのは、香港から来た若者と道士のコンビ。
このキョンシーは若者のひいひいひいひいひいお爺さんで
ご先祖様の遺体を取り戻すべく、はるばるイギリスまでやって来たのだ。
何とか落札に成功し、帰りの飛行機に乗り込んだまではよかったが
パイロットが進路を間違い、アフリカ上空で燃料が無くなってしまう。
ご先祖様を連れて命からがらパラシュートで飛び降りた先にあったのが
かの有名な“ブッシュマン”の村だったから…さー大変大変。
長い香港映画史上、ロボコップだの忍者だの宇宙人だの
ありとあらゆるキャラクターたちと共演してきたキョンシーですが
今回満を持して
ニカウさん(本物)と夢のコラボ!
まぁ誰の夢なのかは知りませんが…少なくとも私のではないです。
邦題もわかりやすくて好感が持てますが
この映画、原題が実にイカしています。
『CRAZY SAFARI』
狂えるサファリ…まさにこの映画の内容そのものです。
もともとユルい香港映画のノリが
スタッフの旅行気分も手伝って、さらにユルユルに。
前半は「アフリカ=動物」って安易な発想で
ライオンに食われかけたり、ヒヒに食料盗まれたり
着ぐるみ感全開のサイに追い回されたりと
ベタなアフリカギャグ
が執拗に繰り返されます。
何度教えてもガラスに顔をぶつけて怪我をするマンボウのように
馬鹿の一つ覚えのベタギャグを繰り出し続ける登場人物たち。
「ああ、もうこれ以上耐えられん…ちんこいじりに逃避したい」
とリモコンのポーズボタンを押しそうになったそのとき…
激しい暴風雨がふっと止み、台風の目に入ったときのような
奇妙な感覚に突然襲われた私。
こ…これはもしかして…
“ベタの向こう側”?
香港映画好きの間で、まことしやかに囁かれているあの伝説。
ベタでベタで死ぬほどベタで
もうこれ以上耐えられないという地点を突破すると
そこに広がっていると言われる、安息の地。
ベタの底がこんなに清浄だなんて!(古い)
…しかしこの映画、ここからが凄い。
今まで緩い坂道を惰性で転がり続けていただけのポンコツが
ラスト20分でいきなり
アクセルを限界まで踏み込むのです。
奴隷商人の白人が、悪徳部族を率いニカウ村を襲撃。
その部族の最終兵器は、黒魔術によって蘇らせた死体です。
ご先祖様VSブラック・ゾンビ
血で血を洗う死体同士の熱いバトル
これがほんとのデスマッチ。
コレを見てすでに震えるほど興奮していた私ですが
この映画、ラストにそれを上回るギミックを用意していました。
なんとなんとなんと
ニカウさんに
ブルース・リーの
霊が憑依!!!
感動のあまり私の両目から溢れる滂沱の涙。
滲んだ画面の中で熱い雄叫びを上げるそのシルエットは
完璧にブルース・リーのそれでした。
生真面目なニカウさんのことなので
きっと一生懸命ビデオを見て研究したのでしょう。
これだからバカ映画発掘は止められない。
やっぱり僕たちのニカウさんは
アフリカの大地のようにデカかったです(号泣)!
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↓1ヶ月ぶりにジョギングしたら膝が・・・膝が・・・
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ひとり大恐慌
http://takunishi.exblog.jp/8860473/
2008-10-30T21:04:06+09:00
2008-10-30T21:04:53+09:00
2008-10-30T21:04:53+09:00
taku-nishikawa
仁義無き日常
またまたやってしまひました…
季節の旬のご挨拶、自己嫌悪スパイラル。
ブログの更新頻度で一目瞭然ですが
ここ1ヶ月ほど、濁った淀んだ腐った沈んだ地団駄示談だ
逃避の日々を送っておりました。
で昨日、財布が空になりまして
銀行で金を下ろそうと通帳を取り出した際
出入金履歴を見て、凍りつきました。
今月だけで
パチンコ30万いかれとる。
ギャンブルにハマった経験のある人ならわかると思いますが
頭に血が上りますと、金が金でなくなると申しますか
むしろ金を捨てたい
っつー暗黒モードに入っちゃうんですね。
んで私の場合、「熱くなる」とゆーよりも
前述のように極端な現実逃避が目的なので
この濁りに濁ったグルーヴに浸り切ってしまう癖がある。
ここのところ本当に一筋の光も見えなくてですね…
この暗いリズムに包まれて、目隠しをして踊り狂っていた私。
それが預金残高を見たショックと
仕事の方でちょっとだけ嬉しいこともありまして
やっと抜けましたトンネル。
今朝は朝から1ヶ月ぶりに洗濯と掃除をし
仕事もちょっと頑張りまして
今はドビュッシーのCDをバックにこの文章を書いてゐる。
(気持ちが荒んでいるときクラシックは聴けない)
まぁ、こうして無事現実に復帰できた訳ですから
30万も授業料と思えば安…安…安ぅぅぅぅぅ
安いなんて口が裂けてもうくく。
だって30万ですよ。
ハンバーガーが3000個食えるし
3食牛丼だったら、10ヶ月も延命できるんですよ。
(この食生活で生き延びる意味があるかどうかは微妙ですが)
趣味の方に換算してみますと
私が年間で映画に使う金額が、たぶんこれくらい。
いやー、お金の使い方(あるいは捨て方)って
ほんと様々ですよね…。
てな訳でそんな最低の日々の中も映画だけは見ておりましたので
明日からまたブログ再開します。
コメントして下さった方、レス遅れまくってすみませんでした。
ところで今日の掃除の際、1ヶ月ぶりに台所に近づきまして
鍋の蓋を取ったら出てきた光景に
思わずヤンキーテイストで「ワーオ」と叫んでしまいました。
もはや最初に何が入っていたのかは思い出せないのですが
蓋の裏までびっしり伸びた菌糸の樹海。
ほんと、標本にしたいくらい見事に育っておりました。
生命のゆりかご、コアセルベート所沢。
そんな我が家の新しい家族のポートレートを披露して
今日の記事の締めとさせていただきたく存じます。
ご静聴、ありがとうございました。
3人目の旅の仲間が現れた!
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↓嗚呼、また鍋を買いに行かねば。
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『レッド・クリフ PART1』(2008・米/中/日/台湾/韓国)
http://takunishi.exblog.jp/8788898/
2008-10-20T02:25:47+09:00
2008-10-20T02:26:31+09:00
2008-10-20T02:26:31+09:00
taku-nishikawa
超大作地獄
ジョン・ウーと言えば、もうアレに決まってますよね、みなさん。
白いワニ。
あ…これは江口寿志と。
まぁまぁまぁ、そんなに怒らなくってもいいじゃないですか。
「白いハト」でしょ。
わかってますってば…冗談のわからない人だなぁ。
こんなミクロなことでキレてたら
阪神ファンなんかやってられませんよ!
さてさて、『三国志』の中でも1,2を争う有名エピソード「赤壁の戦い」を
「長年の夢」と語るジョン・ウーさんが満を持して映画化しましたのが
この『レッド・クリフ』。
予告編の段階ですでにハトが映ってて笑ったんですが
実を言いますと今回…
いつもより多めに
ハトが飛んでおりまーす!
はい、こんだけ働いてギャラ同じ。(染太郎フォーエバー)
用意していたギャグも披露できましたし
もうここで死んだって思い残すことは何もありません。
……………
どーも死ぬ気配がないようなので(ちぇっ)続きを書きます。
私、以前に『三国志』がらみの仕事をやったことがありまして
そのときに吉川英二の文庫版をひととおり斜め読みしたんですが
斜めに読んだから全然意味がわからない。
…もーね、ほんとに興味が持てないんですよ、こーゆーの。
もともと歴史があんまり好きじゃないってのもあるんですが
戦国武将とか国盗り物語とかって類のものに
どうやってコミットしていいのかまったくわかんないんですね。
よく『プレジデント』とかのビジネスマン向け雑誌に
“これからは信長的ビジネスモデル”みたいな見出しあるじゃないですか。
あーゆーの見るたびに、ちっちゃくですが舌打ちしてます。すいません。
三国志ってマニアとそうじゃない人の落差が死ぬほど激しい世界ですけど
そんな訳で今回の私は「素人側」ということでひとつ。
で、まずはその素人目で見た各キャラクターの印象をば。
曹操は永井豪タッチのギラギラした男を想像してたんですが
「年取って世知辛くなった城島リーダー」
ってルックスの、色ボケジジイ。
劉備はってーと、目のキラキラした美男子のイメージだったんですが
「定年後、趣味はカルチャーセンター通い」
みたいな、ほんとーにひたすらただのオッサン。
関羽と張飛はまぁ、イメージ通り。可もなく不可もなし。
中村獅童は元海賊の甘興。
これはたたき上げの鬼軍曹って感じで
なかなか見せ場も多く、得な役もらったなーと。
で、残るは主役の2人…孔明と周瑜。
これがかなりいい線行ってます。
孔明の「頭は切れるけど、どこか青さが残ってる」感じを
金城武がやるとなかなか魅力&説得力ありますし
逆に周瑜は「裏も表も知り尽くした円熟期」って感じで
脂の乗り切ったトニー・レオンがまさに適役。
この2人の顔見てるだけでわくわくします。
話の展開は、おもっくそスローテンポ。
孔明と周瑜の琴バトル
なんかにめちゃめちゃ時間かけている。『クロスロード』か!
実はこれがなかなか熱くて
チョーキングとかハーモニクスとかチョッパーとか、技の嵐。
「琴ってこんな音出んの?」って感じで弦楽器好きは必見。
トニー様のベッドシーン
も実にしつこく、女性ファン大喜び間違いなし。
(今回は叩いたり縛ったり変わった体位はありません)
その上ジョン・ウー印のスローモーションがやたらと多い訳で
こんなにゆったりした語り口で、ちゃんと話終わんの?
と心配しながら見ておりましたら…
全然終わんないでやんの!
「さーこれから赤壁だ」ってとこで第一部終了。
そりゃ時間がいっぱいある訳ですよ。
「赤壁の戦い」が始まるまでの部分に、2時間半かけてるんですから。
実はこの映画、タイトルに「PART1」ってついたのは最近の話。
最初の頃はただの『レッド・クリフ』で宣伝されてて
私はてっきり1作でちゃんと終わるもんだとばかり…。
いや、ダラダラしたテンポ感は悪くないんですよ。
歴史ものであんまり展開が早すぎるのって、何か興ざめでしょ。
ジョン・ウーって監督の才能は
とにもかくにも「絵」で魅せることだと思うんですが
題材が歴史ものってことで
絵巻物見てる感じが、なかな心地良い。
ゆったりした語り口が、この監督の資質に合ってんじゃないすかね。
ジョン・ウーがハリウッドに渡ってからした仕事の中では
一番まともな映画になってる気がします。
…でも、だからって2本に分けちゃうのはねぇ。
続き、すぐ見たいですよやっぱ。
5時間で3000円、みたいな公開の仕方は無理なんでしょうか。
前半と後半の間に30分休憩入れて。
休憩時間に喫茶店に入ったカップルが
「続き、どうなるんだろうね?」なんて予想しあってる光景とか想像すると
何か楽しそうじゃないすか。
…感想の方もダラダラ長くなってしまいましたが
主役の2人がとにかくキラキラしてて
金かけまくった映像も、見どころたっぷり。
全後半合わせてなら
オススメですぅ~。
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『ノストラダムスの大予言』(1974・東宝)
http://takunishi.exblog.jp/8768886/
2008-10-16T19:23:52+09:00
2008-10-16T19:11:50+09:00
2008-10-16T19:11:50+09:00
taku-nishikawa
超大作地獄
西山家に古くから伝わる、ノストラダムスの予言書。
江戸末期には黒船襲来を言い当て
太平洋戦争下では原爆投下と日本の敗戦を予言。
現代の家長は科学者で
環境破壊による異常気象、公害や食物汚染による突然変異
そして全世界を巻き込む最終戦争の危険を
ノストラダムスの言葉を引きながら、警告していた。
果たして1999年、恐怖の大王は降ってくるのか…?
奇形児やミュータントのエクストリーム描写のため
ソフト化不可能とされている
いわゆる“幻の映画”。
大槻ケンヂを始め、リアルタイムで劇場へ行った多くの人たちに
根深いトラウマを残したことでも知られています。
五島勉の原作本が大ヒットした1973年、私は4歳。
大人たちがやたらと騒いでたのを、ぼんやりと覚えています。
当時は水俣病とかイタイイタイ病とか足尾鉱毒事件とかサリドマイド児とか
公害の脅威を日本人が極めてリアルに意識せざるを得なかった時代で
『ゴジラ対へドラ』(1971・東宝)なんて、子供向けの娯楽映画にまで
そういった危機意識が如実に反映されており
『漂流教室』(連載開始は1972年)のディストピア的な未来観なんかも
時代的にかなり説得力があったのだと思います。
とはいえ上記のように当時の私はまだまだ幼く
たまに光化学スモッグ警報が出たりしますと、授業が休みになる嬉しさも手伝って
光化学…超カッケー!
とのん気なことを思っていた訳で。
で、映画なんですけどね…いや、ごくごく軽い気持ちで見始めたんですよ。
「今日は真面目な映画見る元気ないから、バカ映画でひと笑いしとこーかー」
みたいなつもりでね。
それが…まったく笑えないのです。
環境ホルモンや電磁波等
人体への影響が危ぶまれる未知の要素が無数に伝えられる中
食物偽装、薬物混入といったニュースが頻発。
もはや何を食べ、どう生きていったらいいのか正解が見えない。
環境破壊は「自然を守ろう」なんて段階は遥か昔に通り越し
異常気象が我々が肌で感じるレベルまで降りてきて
今年の夏の“ゲリラ豪雨”くらいでは驚きもしなくなっている我々。
奇形児が生まれると、親には死産と伝え、赤ん坊は放置して死に至らせるという
背筋の寒くなる産婦人科医の話が映画には登場しますが
遺伝子異常を出産前に検知し、親が産む産まないの選択ができるようになった現代。
無論、「産まない」を選択する親が圧倒的大多数な訳で
見た目がソフィスティケイトされてる分、ある意味映画以上に恐ろしい現実。
加えて、金融恐慌の一歩手前まで来ている現在の経済状況。
私の友人が、知的障害者の職業支援所で働いているのですが
小泉政権化で施行された「障害者自立支援法」の影響で
現場はかなり悲惨なことになっているらしい。
ひとたび金がなくなれば最初に切り捨てられるのは常に弱者。
また「戦争は常に貧困から起こる」という真実は歴史が教えている通り。
世界連動型金融不況がこのまま悪化していけば
現在も各地で進行している地域紛争が
大国をも巻き込んでいく可能性は限りなく高い。
要するに何が言いたいかといいますと
今ほどこの映画が
不気味に感じられる時代はない。
時代が一回りして、30年前と同じ種類の不安感を
人間が抱えるようになったのではないかと。
しかもその30年間ぶん、科学や文化が進歩してこなければならなかったはずなのに
事態が改善するどころか、むしろ深刻化しているという閉塞感。
映画『20世紀少年』があそこまでつまらなかったのは
作品の出来のひどさということはもちろんありますが
オウムの事件の影響化で描かれた原作が
現代の日本人が抱えている不安感とズレていたというのが
根本的な原因ではないのかと。
ニューギニアの原住民がゾンビ化したり
妊娠した由美かおるが浜辺で黒沢年男とダンス踊ったりと
アホらしいシーンもいっぱいある『ノストラダムスの大予言』ですが
文明が完全に崩壊した、泥沼のような未来世界で
醜いミュータントの子供2人が
ミミズ(食物)を奪い合い争っている
というラストシーンに、寒気が止まりませんでした…。
いつも下ネタ尽くしの私にしては
確かに今日の記事はらしくない。
オイラだってうんこちんこ言ってたいよ!
この映画を「バカ映画」として笑える時代になってほしいものであります…。
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↓今こそ映画化すべきだ『漂流教室』。
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『ICHI 市』(2008・ワーナー)
http://takunishi.exblog.jp/8752627/
2008-10-13T22:29:00+09:00
2008-10-13T22:39:12+09:00
2008-10-13T22:17:34+09:00
taku-nishikawa
アクション地獄
それにしても綾瀬はるかが
おかしなことになってます。
プロデューサーのオッサンたちの妄想力を
この娘の中の何かが否応もなく掻き立てるんでしょうな。
「この子にあんなコトや、こんなコトしてほしい…」
で、「あんなコト」ってのがサイボーグで
「こんなコト」ってのが座頭市と…
歪んどる・・・
歪んどるぞオッサンども!
…ま、面白けりゃいーんですけどね。面白けりゃ。
ひとりで旅を続ける盲目の娘・市(綾瀬はるか)。
彼女は戒律を破り仲間から追放された“はなれ瞽女”だ。
眉目秀麗、三味線と唄の腕前は一級
そしてひとたび仕込み杖を抜けば、市に敵う男はいない…。
『はなれ瞽女おりん』という映画(有馬稲子の舞台も有名)をご存知でしょうか。
篠田正浩が女房の岩下志麻を主人公に、1977年に撮った映画。
男に手篭めにされたおりんがはなれ瞽女になり
(瞽女の掟では、男を作ることは厳禁)
幼い頃に生き別れた父親を探して旅をする…という物語。
“女版座頭市”という印象が強い本作ですが
物語のベースはむしろこの『はなれ瞽女おりん』。
ただでさえ現代より各段に生きづらかったはずの時代に
女の身で、盲目、そして宿無し。
弱者同士の生活共同体であった瞽女というグループからも追放された
いわば
アウトサイダーの中のアウトサイダー。
それこそ一日一日を生き延びることすら難しい
体を売れば物乞いもする、そうせざるを得ない存在だった訳です。
そういった現実の残酷さは本作にもある程度ですが受け継がれ
(綾瀬はるかのレイプシーンあり)
現代劇にはない魅力になっていると言っていいでしょう。
(さすがに「どめくら!」とかは言いませんけどね)
では気になる殺陣の方はどうか。
座頭市といえば、勝新の殺陣。
低い姿勢で、コマのようにアクロバティックに動き回る
とても人間の動きとは思えない異常な早技。
本作ではそういうイレギュラーさをあえて選ばず
正統派の居合に徹しています。
綾瀬はるか、剣技はもちろん初めてでしょうが
撮り方の工夫もあって、そんなに悪くない。
この映画の問題は、ズバリ脚本。
書いたのは『NANA』や『大奥』の、浅野妙子ってゆー人。
市を守ろうとする浪人(大沢たかお)
昔かたぎのヤクザの二代目・虎次(窪塚洋介)
野武士集団のボス、悪役の万鬼(中村獅堂)
とゆーサブキャラたちの描き方が、どーにもぬるい。
それぞれが過去のトラウマとか、コンプレックスで動いてるんですが
この内容があまりにも現代的とゆーか
そんなことどーでもええやん!
ってな、超ミクロなことでウジウジしてるんです。
江戸時代ですよ、江戸時代。
「現代の若者にもアピール」ってことで連ドラの女脚本家連れてきたんでしょーが
切った張ったのモチベーションとしては、あまりにも説得力不足。
『シグルイ』読んで出直してきやがれ!
ってなもんです。
…ただし私、終盤の展開にちょっとだけ感情移入。
ネタバレになるので詳しくは申せませんが
この映画の中心テーマとなる、原初的な命題を最後に叫んで
今日の記事の終わりにしたいと思います…。
強姦にSAY NO!和姦にSAY YES!
ヤッて命の泉湧く。
(10月25日公開)
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↓大人になってから食らう説教は辛いです。
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『ぐるりのこと。』(2008・ビターズエンド)
http://takunishi.exblog.jp/8739641/
2008-10-11T00:48:57+09:00
2008-10-11T00:49:41+09:00
2008-10-11T00:49:41+09:00
taku-nishikawa
映画雑感
私の住んでいる所沢から、西武線に20分ばかり乗りまして
本川越駅で降り、喜多院方向に10分ほど歩きますと
蔵作りの古い町並みが見えてきます。
有名な「時の鐘」の横道をちょちょっと入って、角を1つ2つ曲がりますと
路地の奥に、かわいらしい映画館がちんまりとおさまっています。
川越スカラ座。
シネコンの台頭に押されて一端は閉館に至るも、市民運営というかたちで復活。
独自のラインナップで良心的な映画を上映しつつ
ときには映画監督を招いてイベントを開くなど
文化の最果て・埼玉県とは思えない、素敵な映画館です。
私がこの映画館のことを知ったのは
映画ブログランキングでおなじみの「セガール気分で逢いましょう」。
このブログで、川越スカラ座で先日開かれた
『歩いても歩いても』の是枝監督のトークショーの記事を読んだんです。
映画評論とゆーものをまともに読んだことのない私が言うのもなんですが
このブログ、映画に対する謙虚な姿勢にいつも頭が下がるってゆーか
「こーゆー人を本物の映画評論家ってゆーんだよなー」と
読むたびに自分の有様を省み、恥じ入っております訳で。
近所にこんな気の利いた劇場があるのに行かない手はないと思っていた矢先
ロードショーで見逃した『ぐるりのこと。』が上映されるというので
今回、わくわくしながら馳せ参じたという訳なのでございます。
さて、肝心の映画の感想ですが
頭が混乱していてちょっと一筋縄では…
てなことを言っていても話にならないので
先行きは暗いですが、とりあえずもがいてみましょうかね。
ひょんなことから法廷画家になったカナオ(リリー・フランキー)は
編集社に勤める恋人・翔子(木村多江)が妊娠したことから、結婚。
しかし生まれた赤ん坊が程なくして死んでしまい
翔子の精神状態がだんだんと怪しくなっていく。
一方カナオはカナオで数々の不条理な事件の裁判に立会い
(宮崎勤、オウムサリン事件、音羽幼女殺害事件、宅間守など
バブル以降の日本で実際に起きた事件がモデルになっている)
時代の闇にやりきれない思いを抱えることになる。
この夫婦、果たして大丈夫かにゃー?
…ってのがあらすじです。
映画の冒頭、カナオと翔子それぞれの昼の生活が映され
その後にマンションで夫婦が2人きりになるシーンがあるんですが
コレがいきなり辛い。
門限を破ったことを翔子にぐちぐちとなじられるカナオ。
ひとしきり怒った後、何のクッションもなく
カーンチ、セックスしよ!(違う…何か違う…)
と言い始める翔子。
この夫婦、セックスするのは週3回と決まっていて
しかも曜日まできっちり指定されているのです。
「帰ってきたらいきなりバナナ食いながら怒ってんだもん。
お前さぁ、それじゃ勃つものの勃たねぇよ…」と
男としては至極もっともな文句を言うカナオでしたが
なんだかんだで丸め込まれ、寝室へ。
その後
アナルに指入れられて翔子が激怒
ってゆー、いつもの私だったら爆笑間違いなしの展開が続くのですが
2人の刺々しい空気をあまりに共有してしまったせいで
笑うどころではありません。
彼女いない歴もずいぶんになる私ですが
女の子と2人きりで向き合うって
こんなに辛かったっけ?
こんな目にあうんだったら、いっそのこと一生ひとりでいいや…
とすっかり「人嫌いモード」に入ってしまいました。
もう一方の軸、「バブル以降の日本が抱える闇」の方ですが
こーゆー社会を包む暗い空気が
じわじわ日常生活を侵食していく感じは
ここのところの私も痛感していることでして
こちらはこちらでまた、いたたまれない。
全体的なことを言いますと
この監督がいっちゃん凄いのは
ディティールを切り取る能力
ではないかと。
暗いシーンにしろ明るいシーンにしろ
観客がはっとするような光景をいくつもいくつも切り取って見せてくる。
ひとつひとつは奇抜なシーンでも何でもないのに
映画の文脈の中で見ると、非常に効果的なんですね。
例えば
「流しに撒き散らされた米」であったり
「幼児殺しの犯人の履物」であったり
「縁側に向かって尼さんと食べるアイスキャンディー」であったり
「2人でかじるベランダ菜園のトマト」であったり。
こーゆーセンス見せつけられちゃった後だと
『おくりびと』のモッ君田園チェロ弾きシーンなんかは
やっぱいくぶん安く見えちゃいますかね…。
最終的には物語は明るいほうへ進むので
前半のダメージを何とか相殺できた私は、ほっとしました。
あの辛い空気を抱えたまんま現実に放り出されたら
彼女いない歴が10年は延びることは確実。
いやーよかったよかった。
(だからと言って彼女ができる訳ではないですが…)
映画が終わったら外は雨。
見た目ほとんどホームレスの私に傘を貸してくれたもぎり嬢のお姉さん
あなたは天使です…。
川越で発見した、時代の最先端を行く煎餅。
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↓徹夜明けの試写3レンチャンをなんとか寝ずに乗り切る。ありがとう眠眠打破。
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9月のおもらし
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2008-10-08T02:13:02+09:00
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taku-nishikawa
映画雑感
★5つが満点ですが、今回は該当作品なし。
あんまりぱっとしませんが、ぼちぼち参りましょう…。
『蛇にピアス』(2008・ギャガ)★
何だかもう、まったく興味が持てないんですねこーゆーテーマに。
どのキャラクターもいかにも「小説の登場人物」って感じで
誰一人として感情移入できず。
つくづく蜷川幸雄って若い人と仕事するのが好きなんだなぁ、と。
好きなことやるのはおじいさんの勝手ですが
私はもう見なくていいです。
『幸せの1ページ』(2008・米)★
まぁ演出とか脚本の問題もあるんでしょうけど
ジョディ・フォスターのコメディエンヌぶりがとにかく痛い。
『マイ・リトル・サンシャイン』のアビゲイル・ブレスリン
素敵だったぽっこりおなかがちょっと引っ込んじゃったようで、悲しいです。
『おろち』(2008・東映)★★
うーむ、取り立てて文句はないのですけれど。
面白かったかと聞かれると、言葉に詰まってしまいます。
おろち役の谷村美月、褒めてる人もいるみたいですが
髪が黒い時点で私はもう何かダメでした。
原作のあの髪の表現は、金髪なのかなぁ、やっぱ…。
『漂流教室』の“西さん”もそうですが
神秘的な女子キャラクターにはあの髪を描くのよね、楳図センセイ。
『シャカリキ!』(2008・ショウゲート)★★
命かけていいくらい原作が好きなので、文句は腐るほどあります。
物語の最大の号泣ポイントである主人公の怪我とリハビリのエピソードを
ばっさり切っちゃうとゆーのは、さすがにナシなのでは…。
まぁそこは2時間の枠があることなので、百歩譲って認めるとして
これだけ単純な構成にしたんだったら
その分キャラクターは描きこんでくれなきゃあかんと思います。
監督はデビュー作らしいけど、演出ぐだぐだですし
役者は素人ばっかりで、これまた頼りない。
それでもラストの石渡山登山レースのシーンでは
手のひらに汗をかくほど拳を握り締めている自分がおりました。
原作の良さの10分の1くらいしか再現できてないけど
10分の1になっても、『シャカリキ!』は凄いんです!
『東南角部屋二階の女』(2008・ユーロスペース)★
こーゆー貧乏臭い日本映画って久しぶりに見ました。
一昔前ってこんなんばっかでしたよね。
そりゃ邦画嫌いになるのも無理ないわ。
『シャッター』(2008・米)★
“ハリウッドリメイク”つったって
日本人の監督が日本で撮ってんだもんねぇ、そりゃぱっとしませんわ。
ヒロインの女優さん、中途半端にニコール・キッドマンに似てて
それがさらにニセモノ感を倍増させています。
アジアンホラーブーム、さすがに限界でしょう。
『燃えよ!ピンポン』(2007・米)★
主役のデブ、魅力ねぇ~!
クリストファー・ウォーケンってほんとに仕事選びませんよね。
主人公が腕を折るシーンだけ笑った。
『ミルコのひかり』(2005・伊)★★
4~5年前に『輝ける青春』ってイタリア映画を岩波ホールに見に行ったんですが
これが上映時間366分という掟破りの長さ。
前半と後半の間の休憩時間にキッチン南海でチキンカツ食べたりして
映画自体もすごく面白くて、なかなか楽しかったんです。
で、この映画のサウンドデザイナーの子供時代を映画化したのがあるって聞いて
見てみたら、フツーでした…文部省推薦な感じです。
『ハンコック』(2008・米)★★
東北の旅行記にも書きましたが、青森の八戸で見ました。
前半と後半のギャップが激しいストーリーで
個人的には前半のダメヒーローの話を最後までちゃんと見せてほしかったなぁと。
ハンコックを怒らせて空高く打ち上げられてしまういじめっ子は
『ハロウィン』でマイケル・マイヤーズの子供時代を演じているダエグ・フェアーク。
『ピュー!と吹くジャガー THE MOVIE』(2008・ハピネット)★
「絶対見る!」なんてでかいこと言ってたわりには
劇場へ行く度胸がなく、DVDで日和見鑑賞。
「とにかくひどかった」とゆー印象がすべてで
中身はほとんど何も覚えてません。
『クリスティーナの好きなコト』(2002・米)★
ぐはー。苦手だこの映画。
女子が下ネタ言ってすべる光景ほど辛いものはない。
『僕と未来とブエノスアイレス』(2004・アルゼンチンその他)★★★★
ブエノスアイレスの小さなアーケード商店街の内部だけで物語が進む
ものすごーくスケールの小さな映画。
よその国の商店街を覗いてる感じが妙に楽しかったです。
『寅さん』見てるキム・ジョンイルもこんな気持ちなのかなぁ。
『4ヶ月、3週と2日』(2007・ルーマニア)★★★
うちに遊びに来た友達と一緒に見たんですが
そいつが映画見ながらやたらと茶々入れるKY君だったので
集中力5割くらいで鑑賞。
しかしそれを差し引いても、パルムドール取るほどの映画かしらと思いました。
しかし80年代のルーマニアって
チャウシェスク独裁とはいえ一応社会主義だったんですよね?
堕胎が法律で禁止されてたのはどういう理由からだったんでしょうか。
まさか社会主義国家で宗教的理由もないでしょうし。
そこらへんがちょっと知りたいです。
『ジャンパー』(2008・米)★
つーまーんーなーかーっーたー。
『紀元前1万年』(2008・米)★
原始人、全然ウホウホ言わないじゃん!
髪型ドレッドでなんかオシャレじゃん!
『アポカリプト』パクって、しかも失敗してんじゃん!
…ダメだこの映画。
『カルロス』(1990・Vシネ)★★★
ビーバップハイスクールの原作者・きうちかずひろが監督したVシネ。
竹中直人演じる日系ブラジル人マフィアが
凄腕の殺し屋チャック・ウィルソンと死闘を演じる。
これが意外に面白かったりするのです。
『ヒトラーの贋札』(2007・ドイツ/オーストリア)★★★★
いやー、面白い映画でした。
カジノで大金をドブに捨てて、女と2人浜辺って、いいスね何か。
主人公が悪人って設定を100%生かしてたら
さらに物凄い傑作になったと思うけど、まぁ贅沢は言わんときます。
『ハロルド・スミスに何が起こったか?』(1999・米)★
『ビルとテッドの地獄旅行』『サンダーパンツ!』の
ピーター・ヒューイットが監督とゆーことで
まぐれ当たりを期待しましたが、まったくの空振りでした。
『チャンス』(1979・米)★★★★
ピーター・セラーズの映画もハル・アシュビーの映画もほとんど見たことないんですが
これはいいっすなぁ~。
庭を制するものは世界を制す。
チャペックの『園芸家12ヶ月』をバイブルとしている私にはよくわかります。
ラストのポカーンとさせる感じも大好きでした。
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↓うすら寒し。
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