久々に出合ってしまいました…。
もともとが感激屋の私。
「大傑作」とか「めちゃめちゃいい映画」とか
「死ぬほど面白い映画」といった過剰な褒め言葉を乱発し
今じゃすっかり狼少年のポジションに納まってはおりますが
ここまでの衝撃は実際のところ、数年に1本あるかないかです。
私が出会ったのはどんな映画か。
それは…
「オレの映画」。
ダブリンの街角、ギターの弾き語りをして小銭をかせぐ
もうそう若くはないストリートミュージシャンの男。
ある日、貧しい身なりの花売りの娘に話しかけられる。
チェコから来たその娘も、ピアノを弾くと言う。
この偶然の出会いが、2人の運命をゆっくりと変えていくのだった…。
この映画、全篇の3分の2くらいが演奏シーン。
なので、音楽はあんまり…という人には厳しいかもしれません。
そこへ行くと私・にしかわは
大人になったらなりたい職業の第1位が
「ミュージシャン」。
(いまだ大人になりきれてないのでこの願いは現在進行中)
ちなみに第2位は「ダンサー」で
第3位は村役場職員です。
(『八つ墓村』で腕にインク避けサックを巻いてるのを見てしびれた)
中学でクラシックギターを始める。
指だけは動くようになったものの、やりたい音楽が見つからず。
その後大学に入り、先輩が弾いてたボサノバを聴いたのをきっかけに
ブラジル音楽に頭のてっぺんから足の先までどっぷりと浸かる。
それから1年足らずで、気が付くといつのまにか
浅草サンバカーニバルの山車の上で半裸で踊り狂っていた私。
ミュージシャンになれるなら死んでもいい。
いや、それくらい思ってたんすよマジで。
…しかし悲しいことにこれが、泣きたくなるほど才能がない。
この程度の実力で絵の仕事にしがみついてる私があきらめたんですから
そのひどさは本当に誰の目にも明らかだった訳で。
まぁそんなこんなで音楽には誰よりも憧れ体質な私。
で、『ONCE ダブリンの街角で』。
この映画には“音楽の魔法”が
みっしりと詰まっています。
冒頭、投げ銭の入ったギターケースを盗まれる主人公。
全速力で走って、何とか泥棒を捕まえるも
男のあまりの情けなさに、つい5ユーロ恵んでしまう。
まだ映画のタイトルも出てないのに
すでにこの主人公が
大好きになっている自分。
この男が弾いているギターが凄くって
サウンドホールの上下に、思いっきり穴が空いてんの。
ピックガードってホントに必要なんだなぁとゆー感じなんですが
それがこの人の演奏スタイルに似合ってんですわまた。
一方、花売りのチェコ娘は貧乏なためピアノが買えず
毎日昼休みに顔なじみの楽器屋へ通い
店員の好意で売り物のピアノを弾かせてもらっている。
(その慎ましさに激萌えする私)
借り物の楽器で、他の客もいたりする手前
娘はすごぉーく静かなタッチで演奏するんですが
この音色がまためちゃめちゃ似合ってんですね、この子の控えめな感じに。
で、この楽器屋で2人の初めてのセッションが行われるんですが
このシーンの素晴らしさは、言葉ではもう何とも…
魔法です、魔法。
ほとんど互いを知らない同士が
いきなり魂の奥まで踏み込んじゃうあの感じ。
あぁぁぁぁぁもう死ぬほどうらやましいぃぃ!
音楽ばっかり褒めちゃいましたが
もちろんストーリーも最高。
こーゆー慎ましい恋愛映画が世には少なすぎるのです。
寝る前にちょっとさわりだけ、とゆーつもりで見始めて
夢中になって最後まで見てしまい
主人公が『ザ・コミットメンツ』にも出ていたことを知り
押入れからビデオ引っ張り出してそれも最後まで見たあげく
本家がもう1回見たくなり、続けて再鑑賞。
気がついたら朝ですよ朝。
すかさずamazonでサントラを注文したのは言うまでもありません。
ネットでちょっと感想見て回った限りじゃ評価まっぷたつとゆー感じ。
「長いPV見せられて苦痛」なんて感想も。けっ。
世間様の評判が低けりゃ低いほどこっちは燃えるんじゃ!
とゆー訳で、コレ
「オレの映画」です。
誰にもあげませんわよ!オホホホホ!
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