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漫画家Nのイラストと文章で綴る映画な日々

にしかわたく (漫画家)

マンガ家・イラストレーター。生まれて初めて劇場で見た映画は『グリズリー』と『テンタクルズ』の二本立て。
現実逃避のスピードを極限まで加速すればいつか現実を追い越せると信じ、今日もロスト・ハイウェイをひた走る36歳、デブ専。
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『赤い天使』(1966・大映)
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以前『盲獣』の感想を載せたときに
隊長さんからご推薦いただきました
増村保造の『赤い天使』
地元のTSUTAYAで発見したので借りてまいりました。
邦画に詳しい方から見れば噴飯もののレビューだと思いますが
「遅れてきた邦画好き」とゆーことで御容赦下さいませ。


時代は日中戦争の最中、舞台は中国。
前線基地に赴任した従軍看護婦・西桜(若尾文子)は
物資も無く人手も足りない過酷な状況で医療を行っている
軍医の岡部(芦田伸介)に恋をする。
激しく体のつながりを求める西だったが
岡部は長年のモルヒネ中毒で、不能になっていた。
西は彼を救おうと、禁断症状に陥った岡部を縛り上げる。
前線基地には中国軍がばらまいたコレラ菌が蔓延し
周りを敵に完全に包囲された絶望的な状況の中
奇跡的に性的機能が回復した彼と結ばれる西。
そして、中国軍による激しい砲撃が始まった…。



まーこの映画、まず何がすごいって

開始3分で主人公が輪姦される

という、携帯小説でもありえないスピード展開。
しかしこのシークエンスにはちゃんと意味があって
これ以降、主人公をさらに凄まじい地獄が待ち受けているという
観客への予告状の役割を果たしているんですね。

地獄1:
赴任したての最初の夜に、いきなり輪姦。

地獄2:
野戦病院へ、重症を負った兵隊が担ぎ込まれてくる。
医師は「こいつはもう助からない」と即座に判断し、そのまま放置するが
実はこの男、主人公の西を最初に強姦した張本人。
「看護婦さん、許してくれ…殺さないでくれ…」
必至の形相で訴える男を前に、立ちすくむ西なのだった…。

地獄3:
野戦病院に、両手を失った患者がずっと入院している。
傷はとうの昔に癒えているのだが
この手の患者を本国へ移送すれば、国民の戦争忌避感を煽るのではないかと
軍当局が飼い殺しにしているのだ。
絶望しきった男は、西に恋心を抱き
「看護婦さん、僕だって男なんだ。
 他の皆は自分で処理できるが、僕は両手がないから…」と
西に手コキをお願いするのだった。
看護婦さんの夜のサービス。
今ではエロマンガやAVですっかりおなじみになったシチュエーションですが
こんなところに原典があったのですね!
オリジナルだけに濃さは1万倍です。


…とゆー感じに主人公の地獄めぐりが続いていくのですが
これは増村作品ですから、最終的にたどり着くのはもちろん

極限状態下で咲くエロスの花園。


主人公を演じる若尾文子。
増村作品のミューズであり
熱狂的なファンが多い、伝説的な女優さんです。(&故・黒川紀章の奥さん)
私は恥ずかしながらこの人の全盛期の演技を今回初めて見たのですが

まー見事なまでのツンデレ。

これだけ人気があるのも頷けます。

近寄り難い、お堅い従軍看護婦。
しかしひとたび惚れた男の前に立てば
「先生、西を抱いてください!」
「西の体に触ってください!」
と甘えキャラに変貌。
(自分のことを苗字で呼ぶ言い方、激萌え)

いったん関係を結べばどんどん大胆になり
医師の軍服を着て、裸足の足を投げ出し
「ブーツ!」
と上官である男に靴を履かせる…

王子と乞食プレイ炸裂。

戦場の真っ只中で繰り広げられる
イメクラ、コスプレ、性別交換、倒錯の世界…。
『地獄に堕ちた勇者ども』『愛の嵐』『ラスト・コーション』といった
このジャンルの傑作群の原点はまさしくここにあります。


またこの映画、スプラッタ描写も凄まじい。
医者や看護婦は文字通り全身血まみれになり
患者の手足を大根のようにばっさっばっさと切り落としていきます。

This is the切り株!

白黒の映像でここまで痛さが伝わってくるとゆーのも
生まれて初めての経験でした。

戦闘シーンもこの時代の映画としては異常に迫力があって

火薬の量、間違えてない?

という修羅場の中を俳優たちが本気で駆けずり回っています。
DVDのオーディオコメンタリーの中で
若尾が『プライベート・ライアン』について触れているのですが
もし現代にこの監督が生きてたら
まっさきにCG技術使ったんじゃないですかね。


生まれてくるのが30年早過ぎた

天才増村保造。

凄ぇ!日本映画って凄ぇ!




ブログランキング〜
↓実は今日誕生日でした…プレゼント代わりに、ね?


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by taku-nishikawa | 2008-07-22 23:43 | 戦争はらわた地獄 | Comments(12)
Commented by 隊長 at 2008-07-23 02:40 x
増村作品は渥美マリといい、ふてぶてしく逞しい女を描かせると凄いですよねえ。
露悪的で大げさな演出はTVと親和性が高かったのか、その後大映ドラマの赤いシリーズでお茶の間に浸透していきますが、とにかく凡作の少ない人ですね。「兵隊やくざ」シリーズも、増村の撮った第一作が、他の続編と比して異様に傑出した出来になっているのが素晴らしいです。

三隅研次といい、大映はエログロ映画でさえ品格のある画面作りが徹底されているから凄いですね。いや、もちろん好きな映画会社は東映ですが。それだけに大映の倒産という、ホームグラウンドを失ったことが残念です。
晩年はイタリアで映画撮ったりTV中心になったり色々と苦労されていますが、増村監督の作風が80年代も生かせて作品を撮れたのかという疑問もあります。

結局遺作の『この子の七つのお祝に』が酷評されて無念のまま逝去、という感じだと思いますが、この作品も角川映画としては凄絶すぎる作品だったのが、一矢報いたという感じなんでしょうか。この作品も大好きですけれどね。
Commented by ぱたた at 2008-07-23 10:20 x
遅れましたがお誕生日おめでとうございます!!
9日違いの誕生日だったのですね。ウレシス。

本作品、なんか倒錯した世界の作品のようですねぇ。
ツタヤ閉店時に『盲獣』を借り、初の増村保造作品を鑑賞。
たった3人の出演者で3人とも○○○○。。ヨメとおちびが
寝てからヘッドホンで(茶の間に起きてこないでと祈りながら)
鑑賞したので、耽美な○○○○世界にクラクラでしたよ。
本作品、とりあえずレンタル店探してみますが、発見率低い??
Commented by ポマト at 2008-07-23 21:46 x
お誕生日、おめでとうございます!

映画鑑賞歴が浅く、私も日本映画はあまり見ていないので
あたりさわりのない(女優も脱がないし)気の抜けた、淡白な映画ばかりだと思っていたのですが、
昔の邦画監督は本当に濃ゆそうな作品を撮られていたのですね。

「極限状態で花咲く異常(笑)エロスの花園+『プライベートライアン』顔負けそうな切り株描写」(驚)

さっそくツタヤディスカスで借りてみます。^^



Commented by taku-nishikawa at 2008-07-23 23:01
隊長さま
80年代って、日本映画にとってほんとに深い溝だったんですね・・・。
そういう環境にどっぷりと漬かって10代を過ごした私。
いまだにその傷を引きずってますもん。

「大映ってガメラのとこだよね?」
くらいの認識しかなかったのですが
倒産が作り手に与えた影響なんて考えてみたこともなかったです。

とりあえず次は『この子の七つのお祝に』を見てみます!
Commented by kaeru at 2008-07-23 23:04 x
7月22日ってなんか重要な日だったよな・・・と思ってたら、お誕生日だった!
そーでしたそーでした。おめでとうございます~!
プレゼント代わりに連打しときます。
Commented by taku-nishikawa at 2008-07-23 23:05
ぱたたさま
『盲獣』が置いてあるとこならまず間違いなくあると思いますよ。
私が不勉強だから初体験にびっくりしているだけで
死ぬほど有名な監督さんですから。
それにしても面白い映画ってほんとにいっぱいあるんですね。
死ぬまでに全部見れるのだろうか。
Commented by taku-nishikawa at 2008-07-23 23:10
ポマトさま
そっすねー。
古い日本映画見てていつも思うのは
おっしゃる通り「濃ゆい」ということ。
昔の人は激しかったのだなぁ。
Commented by taku-nishikawa at 2008-07-23 23:10
kaeruさま
まったくもって重要じゃないですけどね。
ちなみに原監督と同じ日です。
すぐ涙目になるというとこは共通点です。
Commented by haza at 2008-07-30 02:00 x
もう帰ってこないかも…と半ば諦めておりましたが、久しぶりにアクセスしてみたら…
なんなの?この怒濤の更新は?嬉しいじゃないのよ。勿体なくて一度に読めないわ。
事故に遭われたそうですが、お元気そうで良かったです。
いやもう本当に。
Commented by taku-nishikawa at 2008-07-30 23:07
hazaさま
す・・・すいません。
やることが極端な人間なんです、いつも。
これからもよろしくお願いいたします。
Commented by ぱたた at 2008-10-08 18:19 x
タイミング遅いカキコですみません。ようやく観ました。
海坂藩(鶴岡)の1箇所しかないツタヤにも探せばあるもんです。
本作品、とにかくモノクロで何とか正視できました。
グログロのホラーも何てこと無い私も糸ノコの
「キコ、キコ、キコ、」の音の後に足や手がドサッは参った。
しかし川津さん扮する両腕の無い兵士はどんな特撮なんだろう。
差別用語が飛び交う中、自分の事を「西は、、」って確かに萌えです。
後半から破滅的で絶望的なラストまで体育座りで動けませんでした。
タブーだらけの増村作品、今後もこっそり借りてみます。
Commented by taku-nishikawa at 2008-10-09 00:23
ぱたたさま
おお!ご覧になりましたか。
両腕がない兵士は「本物連れてきた」のかと勝手に思ってました。
だってこの監督、それくらいやりかねない感じなんですもん。
増村作品、私もこれっきり見てないので
一緒にお手手つないで見ていきましょう。
だって一人じゃ怖いんだもん!
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