宴会でお座敷を盛り上げた後は、それぞれ客の個室に同伴
マッサージが済めば、交渉しだいで夜のお供も。
お高くとまった本物の芸者衆からは馬鹿にされ
心無い男たちからは蔑まれ
それでも今日も元気に明るくたくましく
素敵なサービスを提供する
ああ我らが我らが
温泉あんま芸者たち。
この映画は
そんな彼女たちの生活の悲喜こもごもを
巨匠・石井輝男監督が
笑いと涙と
両手一杯のキャットファイト
で描いた
人情味溢れるお色気群像劇であります。
富丸(三原葉子)は元ナンバーワンの売れっ子でしたが
年のせいで客が減り、将来を危ぶんでおります今日この頃。
さりとて小学校の恩師が落ちぶれて訪ねてくれば
同情して体を許してやる、情に篤い女でもあります。
力むと思わず放屁してしまう癖あり。
汚れ役なのに、まったくもって不憫な感じを抱かせないところは
さすが“先天性淫婦の母”というところでしょうか。
千代(橘ますみ)は
芸者衆の中で一番年下のマスコット的存在。
吉田輝男(『恐怖奇形人間』で星になったあの人)演じる医師に片思いしていて
一途に処女を守っていましたが、つれない彼氏に業を煮やし
思いを断ち切るためにあえてド汚いオッサン(金子信雄)に体を許します。
私はこの女優さんを見るのは今回が初めてだったんですが
チャン・ツィイーと京野ことみを足して2で割った感じで
なかなか可愛いです。
突如やばい感じに舌を出す癖あり。(怖い)
その他
「オネショ芸者」
「処女膜再生芸者」
「カニばさみ芸者」等々
バラエティーに富んだキャラクターたちが場を盛り上げます。
温泉場にあるお寺を“秘宝館化”して
地元民の反感を買うエロ住職を演じるのはご存知
由利徹。
画面に出るだけで映画だ!オーラ
は完全にショーン・コネリー、マストロヤンニ級でやんす。
劇中、私が一番グッと来たのは
芸者たちから金品を盗んだ貧乏夫婦が捕まるシーン。
怒り狂った女たちが寄ってたかって
殴る蹴る髪の毛引きちぎる。
前述したようにこの映画
エロくて笑えるキャットファイトだらけなんですが
このシーンだけはコミカルな要素は一切なくて
「人様のものを盗んだ奴はこうなって当然」的な
どこまでもリアルで生々しいリンチなんですね。
体を張って稼いでいる女たちの生活の切実さが
言葉にしなくても伝わってきます。
そして、この描写に遠慮がないからこそ
後になって皆が犯人を許すシーンで涙が出るわけです。
それでは最後に
『温泉あんま芸者』のテーマ曲の歌詞を味わいつつ
この記事を締めたいと思います。
ご静聴、まことにありがとうございました。
バラバラバンバン バラバラバンバン
パパヤパヤパパ!
バリバリ稼ぐわ 前向きで
プロフェッショナルなの 女だもん
心はダメなの あげないわ
お湯に流れて お湯に流れて 知らぬ街
バラバラバンバン バラバラバンバン
パパヤパヤパパ!
ア〜ン・・・
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