“ルチャ・ムービー”という言葉をご存知でしょうか。
メキシコでは『ナチョ・リブレ』のモデルとなったエル・サントを始め
ルチャドール(プロレスラー)を主人公とした映画が数多く撮られ
ひとつのジャンルになっているのです。
残念ながら日本ではなかなか触れる機会がないのですが
今日は数年前めでたくDVD化された
『ミル・マスカラス ビバ!ルチャシネマ×2』の中から
貴重なルチャ映画
『ミル・マスカラスの幻の美女とチャンピオン』
をレビューしてみましょう。
映画はいきなり、数人のマスクマンがバイクにまたがり
マントをなびかせ疾走するところから始まります。
もちろん上半身裸に下はタイツ姿。
転んだら肘をすりむきそうですが
そんなことは気にしないみたいです。
マスクにバイクときますと
ノリは思いっきり仮面ライダーなんですが
正直、見た目は
ショッカーそのものです。
驚くのは、彼らマスクマンが
日常においてもリングコスチュームのまんまで生活していること。
燃えるゴミを出すときも
コンビニに行くときも
マスクと裸です。
警察に通報されても文句は言えませんが、
彼らはメキシコではスーパースターなので大丈夫みたいです。
物語は、リングを追放された元悪役レスラー“マノ・ネグラ”が
マッド・サイエンティストとなり
悪の軍団を率いて人気マスクマンたちに復讐しようとするいうもの。
この軍団ってのが問題でして・・・
赤い覆面をかぶせた小人数人。
いわゆる“小人レスラー”と呼ばれる人たちです。
普通のレスラーと小人レスラーとが格闘するのって
見ようによっちゃ虐待じゃないの?
と思われるかもしれませんが、ご心配なく。
彼らはマノ・ネグラが開発した特殊な装置により
超人的なパワーを与えられているのです。
と言っても、小人がカプセルに入って煙がぼーんと出るだけで
見た目は一切変わりません
ので、説得力のないこと甚だしい。
小人と戦うマスクマンたちが
「うわー」とか「すごい力だ!」とか
むなしくセリフで言うだけです。
(しかしこのマノ・ネグラ
元レスラーなのに一体どこでこんな科学力を・・・)。
こんな面倒くさいことをする前に
1人に一丁ずつマシンガンでも持たせた方が
よっぽど強力だと思うのですが
彼らは律儀に素手の肉弾戦を挑んでいきます。
悪には悪なりのプライドが
ということなのでしょうか。
途中で小人たちの超絶パワーが無力化。
本来の力関係に戻った後の戦いは正視に堪えません。
小人(このときは人形ですが)が大男に
20メートルくらいブン投げられます。
ま、なんだかんだありつつ最後には正義のマスクマンたちが大勝利。
人質になっていた美女たちをバイクのケツに乗せ
めでたく凱旋というウハウハな感じで映画は終わります。
・・・しかしひとつ問題が。
この映画の主人公は日本でも空中殺法で名を知られた
ミル・マスカラス(千の仮面)
ということになっているのですが
このレスラー、読んで字の如く
マスクをしょっちゅう取り替えるんですね。
私は正直、最後まで
どれがマスカラスなのか
わかりませんでした・・・。
どいつだ!?
どいつがマスカラスなんだぁぁぁ!!!
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