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漫画家Nのイラストと文章で綴る映画な日々

にしかわたく (漫画家)

マンガ家・イラストレーター。生まれて初めて劇場で見た映画は『グリズリー』と『テンタクルズ』の二本立て。
現実逃避のスピードを極限まで加速すればいつか現実を追い越せると信じ、今日もロスト・ハイウェイをひた走る36歳、デブ専。
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『それでもボクはやってない』(2007年・アルタミラピクチャーズ)
『それでもボクはやってない』(2007年・アルタミラピクチャーズ)_e0000251_2326175.jpg

地味な映画なのに
2時間半、1度も時計を見ませんでした。

ええそれはもう

評判通りの面白さ。

まぁとりあえず見て損はありませんので
みなさまどうぞ劇場までお出かけ下さいませ。



・・・さ、下手糞な映画評はこのくらいにいたしまして
早速私どもの専門分野の方へ参りましょうかね。

この映画の中で
痴漢の容疑がかけられた主人公のアパートからあるブツが発見され
不利な証拠として裁判に提出されるというシーンがあります。

“痴漢もの”AV。


人生、いざという時のエログッズの処理。

世のすべての男性にとって、永遠のテーマであります。
今日はこの場をお借りいたしまして
男の劣情が最期の眠りにつく逆パワー・スポット


「エロ捨て山」


について考察してみようと思います。


みなさんは「エロ捨て山伝説」を聞いたことがあるでしょうか。
昔々、貧しい農民たちが
口減らしのために山や河原にエロ本を捨てたという
あの悲しい伝説です。

『それでもボクはやってない』(2007年・アルタミラピクチャーズ)_e0000251_23263229.jpg


これは数年前
私が山梨県でのフィールドワークで採取した貴重なサンプルですが
この1枚の写真からだけでも、様々なことが読み取れます。

・持ち主の青年(少年)の在りし日のフィーバーぶり。
・ある日突然彼を襲った、虚無感と罪悪感。
・エロ本を自転車のカゴに載せた彼が、夕闇の中青ざめた顔で疾走する姿。
・自らのエロス履歴を抹消したはいいが
 ちょっと惜しくなり、立ち去る前にしばししゃがみ見。


注目すべきは
これら自然の中に捨てられたエログッズが

次の世代へのバトンタッチ

の役割をも果たしていること。
思い出してみて下さい。
私たちのエロスのスタートラインは
コンビニの本棚でもビデオ屋のアダルトコーナーでもなく
空き地に捨てられたエロ本だったという事実を。
このような一種の

”エロ生態系”

が自然に次代のエロの担い手を育て上げて行くのです。


枯れた雑草と雨でパリパリになったグラビアページ・・・
これはもう日本の風物詩と言って差し支えありません。
松尾芭蕉なら、次のように歌ったことでしょう。

エロ本や

つわものどもの

汁の跡




さて、ここで私自身を振り返ってみますと
6年前にパソコンを買って以来

エログッズ総デジタル化時代へと突入しました。

ネットで拾って来た動画でハードディスクがいっぱいになりますと
(これがあっという間なんですわ)
データをゴミ箱へ移動、コマンド・・・削除。
あっさりしたもんです。

昔日に感じた罪悪感と
その裏返しの興奮
喉を焼く草いきれと
やけに重い自転車のペダル
ドス赤い夕焼けと
いつの間にか光っていた一番星


そんな熱く暗い気持ちからは
ずいぶん遠い場所へ来てしまったように感じていました。

しかし先日、飲み会でこんな話をしていたところ
ある人が私に向かって衝撃的な一言を放ちました。


サイバー空間のどこかには


”バーチャルエロ捨て山”


が存在するのではないか?



………………………………………………………………………………
その瞬間、私は本当に見えたような気がしたんです。

エロ本やエロDVDが積み重なった山のてっぺんで
仁王立ちしているローレンス・フィッシュバーンの姿が・・・

ゴミの中から拾ったSMグッズとボンデージ服を
試着してみているキャリー・アン・モスの姿が・・・

1000人に分裂した姿で
全員まったく同じタイミングで激しい自慰行為にふけっている
ヒューゴ・ウィーヴィングの姿が・・・

そしてバーチャル空間のエロ捨て山のふもとに
エロ本の入ったダンボール箱を抱えて
不安げな表情でたたずむキアヌ・リーヴス。
彼がサングラスを外すと
そこには・・・


私の顔が


ありました。





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『それでもボクはやってない』(2007年・アルタミラピクチャーズ)_e0000251_043446.gif
by taku-nishikawa | 2007-01-25 00:00 | 裁判地獄 | Comments(2)
Commented by ぱるぴ~ at 2007-02-22 13:07 x
面白かったですね、これ。11年映画撮らなかっただけはありました。
加瀬亮の最後の独白がこの映画の全てなんだと思います。
最近監督がよく夫婦でTV出演してますが、どんどん監督が草刈民代に精気を吸い取られてるようで、可哀想です。
日本のテレンス・マリック目指して、また10年後に面白い映画撮ってほしいです。
Commented by taku-nishikawa at 2007-03-01 00:35
ぱるぴ〜さま
個人的には、この監督はもっともっと働くべきだと思います。
一時に比べて邦画のレベルがずいぶん底上げされたとはいえ
いまだに『どろろ』レベルの腰砕け大作がまかり通っているのもまた事実。
周防監督みたいな、レベル高くて金も稼げる監督は
フル稼働して、日本の屋台骨引っ張ってほしいです。
まだ若いんだし。
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