2027年、人類が生殖能力を失ってしまった近未来。
主人公セオは、元妻でテロ組織のリーダーであるジュリアンから
一人の黒人の少女を託される。
彼女の体内には、失われたはずの希望
“人類の子供”が宿っていたのであった・・・
いや、こんな映画、全然見る気なかったんですよ。
昨日の夜、友人のK君から電話がかかってきまして
「ねぇねぇ今から飲もうよ飲もうよぉ〜ん」
とキャラに似合わず甘えてきたんですな。
(おえっ)
しかし私の方は、外は寒いしお風呂も入っちゃったしでモーレツに面倒くさい。
別に苦労してまで会いたくもないし。
とゆー訳で、半ば断りの言葉として
「・・・映画とセットだったら行くんだけどねぇ」
と言ってみたら、これが運の尽き。
シネコンのレイトショー現地集合と相成りました。
基本的に私はやる気ゼロっつーか
むしろ行きたくない気まんまん
だったので、何の映画やってるかとか、時間とか
一切下調べせずに家を出たんです。
で、いざシネコンに着いてみたら
その時間から見れるのはこの映画だけだったとゆー・・・
子供の頃は聞くだけでわくわくした「近未来」って言葉ですけど
最近はまぁ、鬼門ってゆーか
SFってジャンル自体がチアノーゼ状態
じゃないですか。
特にこの映画、予告見た感じじゃ、典型的なダーク・フューチャーもの。
似たような映画を今までに何本見たことか・・・。
そんでもってこの『トゥモロー・ワールド』ってゆー
工夫のかけらもない、
聞いた瞬間に忘れそうなタイトルですよ。
私がキンキンなら、きっとこう言いますね。
はい消えた〜!
そんなぐだぐだな経緯で見た『トゥモロー・ワールド』なんですけど
これが「意外に」とゆーか「かなり」とゆーか
めちゃめちゃ
大当たり。
まずは映画としてよく出来ていること。
主要人物の描き方がすごく丁寧で感情移入しやすいですし
マイケル・ケインやピーター・ミュランなんかの脇キャラが立ちまくってて
大きな物語の流れと、個々のシークエンスのバランスが理想的。
アクションシーンは基本的に地味なんですけど
手持ちカメラの使い方が絶妙で、とにかく臨場感たっぷり。
特に市街地戦闘シーンの迫力は『硫黄島』なんか目じゃありません。
そういった語り口のうまさに乗せられて
使い古されたはずの「SF的枠組」については、見てる間はほとんど気にならない。
(実際この映画、いわゆるSF的説明はほとんどしていません)
なのになのにラスト近くになると昔懐かしい
SFでしか味わえない感動
ってヤツが、津波のようにどどどと押し寄せて来るんですね。
ここらへんはうまく説明できそうにないんで適当にごまかしますが
このジャンルの懐の広さを
再認識させられました。
この映画見て、SFがつまんなくなった理由って
SFのためのSFしか作られていないからなんじゃないかと
昔はSFファンだった私は思ったのでSF。(文中にSFが5つ・自己記録更新)
いやーそれにしてもアルフォンソ・キュアロン
『ハリーうんこポッターとうんこアズカバンのうんこ囚人』
なんてうんこ映画を作ったんで嫌いになってたんですが
やっぱ青春バカ映画の傑作『天国の口、終わりの楽園』を撮った監督ですわ。
次回作も楽しみです。
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