最近とんと下ネタを描いてないせいで
歩くたびにいろんなとこからいろんな汁が漏れる感じのにしかわです。
さて『クラッシュ』。
言わずと知れたオスカー受賞作品であります。
世間で言われているように、人種差別に正面から取り組んだ映画。
様々な人種の、様々な登場人物が織りなす群像劇は
さながらアメリカという名のタペストリーのよう。
はい今うまいこと言いました。拍手。
人種差別というテーマがこのタペストリーの縦糸だすると
横糸にあたる裏テーマは
偶然って何やねん。
ということなんだろうと思います。
映画の前半、物事はすべて悪い方へつながっていきます。
人種の間、登場人物達の間で起こる衝突(CRASH)。
いくらなんでもこの映画はペシミスティックすぎる・・・
と観客が引きかけたところで
今度は手のひらを返したように、すべてが良い方へ転がり始める。
あーよかったと油断したところへ
最後に一番重いやつがどーんと落ちて来ます。
登場人物の中には誰一人完璧な人間はいなくて
それぞれが良いところも悪いところも持っている。
で、そのどちらの面が現実に現れてくるかは
偶然に支配されている
というのがこの映画の考え方。
世の中には本当の悪人なんていないんだ、という
ふぞろいの林檎的世界観(命名者:にしかわ)
から一歩進んだ、よりシニカルで残酷で
でも現実的かもしれない思想。
悪運、幸運、奇跡
名前は違いますがどれも偶然の異名。
この映画はこういった色んな偶然を意図的にちりばめた
とても緻密に作られた映画だと思います。
ま、私の経験から言うと、この手の「よくできた映画」って
意外と後に残らなかったりするんですが・・・
オスカーにはやっぱり
穴だらけの映画が似合うと思う。
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